第8話 休憩
第8話 休憩
翌日は、魔物に襲われることなく順調に進んだが、道は険しく、山頂を越えてしばらく行った所で日没となった。
その日はキャンプをはって、ゆっくりと過ごした。
翌日も歩きづめで下山し、しばらく行ったところで大きな湖に到着した。
日没までは少し時間があったが、湖畔でゆっくりと休むことになった。
湖の岸は多くが低い崖のようになっていたが、三十m程の砂浜が一部にあり、そこで休憩をした。
森に囲まれた綺麗な湖。
天気は良く、日差しは強くなり、夏の到来を感じた。
湖の水は綺麗で、私は水浴びがしたくなった。
「私、水浴びがしたいわ」
「あー私も。ゲイリー、悪いけどあっちに行ってくれる?」
「僕も一緒に水浴びをしたら駄目かな?」
「何を言ってるの!駄目に決まってるでしょ。あっち行って!はら、ルナも言ってよ」
「ゲイリー向こうへ行って。見ないでくれる?」
「分かったよ…、ちょっとくらい良いじゃないか」ブツブツとゲイリーが呟いているが無視する。
「見えないように、ここに大きな壁を立てるわ。ストーン・ウォール!ストーン・ウォール、ストーン・ウォール、ストーン・ウォール。これで良いわね」
「ルナ…凄い魔力量ね…。でもこれで安心。ちょっと恥ずかしいけど、女の子同士だし、大丈夫よね」
「うん、大丈夫」
「思い切って、飛び込んじゃえ~」
「わ~!」
「あら~あなた達!」
「何ですか、オリビア」
「ルナも、イオタも、着痩せするタイプだったのね…。お姉さんちょっとうらやましいわ…」
「何言っているんですか!オリビアもとっても綺麗な色をしているわ…」
ストーン・ウォールの壁の向こうで繰り広げられるガールズトークに、あらぬ想像をし、ドキドキしつつも、それを打ち払うべく、ゲイリーは剣の修行に打ち込むのだった。
私たちは、しばらく水浴びと日光浴を堪能し、服を着た後、ストーン・ウォールを消去して、ゲイリーを呼んできた。
「ゲイリー、悪かったわね。暇にしていた?」
「大丈夫だよ、剣の練習をしていたし」
「本当?覗いてないわよね?」
「もっ勿論だよ!」
「ふーん、まあ信用してあげる」
「騎士だから当たり前だよ。まあ見たいのはやまやまだけどね…」
「何か言った?」
「いや、何も!」
それから、剣の練習をしたり、使いすぎた魔力を回復するために魔素の吸収をしたり、釣りをしたりと楽しく過ごした。
水浴びがしたいから、ストーン・ウォールの壁を作って欲しいとゲイリーに言われたが、それは断った。
「自分で作りなさいよ」
「出来ないから、頼んでるんだよ。出来るなら自分で作るって…」
「分かったわ、帰りにまたここで水浴びしましょう。その時まで我慢して」
「分かったよ。その時はお願いね」
「そうね、それを楽しみに頑張りましょう」
その後は、火を起して、釣った魚を焼いて食べた。
あー、前世ではこんなことしなかったな…。
楽しい遠征で良かった…。
明日からは、また気を引き締めて、頑張らなくちゃ。
長い夜は更けていくのであった。
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