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第2章 第1話 バース大陸

第2章の始まりです

第2章

第1話 バース大陸

時は遡り、レンがこの世界に転生する数年前。

場所はバース大陸、王城キング・キャッスルの王の間。

「国王様、魔王討伐隊の隊員が一人帰還しております。お目通り願えますでしょうか」

「通せ、首尾を報告させよ!」

「御意」

討伐隊の報告は驚くべきものであった、魔王により討伐体が全滅したというのだ。

「何!ということは、討伐体は全滅し、おまえが伝令として唯一生き残ったというのか?」

「ジェスターはどうしたのだ?あやつもやられたというのか?」

「為す術もなく…」

「…それほど敵は強大か?」

「はい、かの武勇高きジェスター様が、為す術もなく殺されました。その他の隊員達は魔王の前に立つことさえ出来ませんでした」

「そうか…、仕方あるまい。ではこの場は撤退し、ユーノス島へ移住する。速やかに用意を整えよ!」

                *

バース大陸は、この千年間、女神ベスの眷属が治めていた大陸である。

この大陸は、暗黒魔法に起因する暗黒物質により、魔境へと変化しており、強力な魔物が跋扈する危険な場所となっていた。

しかし、ベスの眷属たる魔族は、魔法を得意とする種族で、強力な魔物といえども、討伐に何の問題も無かった。

それ故に、魔物は放置されていたのである。

魔物達は、お互いに殺戮し合い、戦いを続けながら、次第に強い個体を生み出していった。

そして、長い年月を経て、魔物達の王、魔王と呼ばれる強個体が誕生してしまった。

そのことが発覚し、討伐へ向かわせたが、もう後の祭りだった。

魔王はあまりに強大であり、魔族といえども立ち向かえないほどの存在になってしまっていたのである。

                *

力と自由を司る闇の女神ベスの定めた規則は、単純である。

“力こそすべてであり、勝者は敗者を支配し、敗者は勝者に逆らえない”

それ故に、この国では、その時代に一番強いものが王となり、国を治めてきた。

それは魔物と魔族の関係においても適応される。

もし、現在の魔族の王たるジュリアスが、魔王に敗れようものなら、魔族は魔王の支配下に落ちてしまうのである。

バース大陸よりの撤退は、それを避けるための苦渋の決断だった。

                *

ユーノス島へ移住し数年が経ち、状況が落ち着いてきた所で、ジュリアス王は、切り札ともいわれる召喚の儀を行うことを決定した。

これは、千年前に一度執り行なわれたものであり、女神ベスに祈り、勇者たる人物を一人召喚するものである。

伝承によると、召喚された勇者は強者であり、魔族を導いてきたとされる。

今まさに、女神ベスの神殿にて、厳かに召喚の儀が行われようとしていた。


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