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第72話 依頼

第72話 依頼

ドラゴンバスターの称号とAクラス冒険者証の授与式は、大きな問題も無く無事に終了した。

国王陛下との初めての謁見は、緊張のあまり、ほとんど記憶にない。

でも、後でエライザに聞くと、無難にこなしていたようである。

危惧していた、他の貴族からのアプローチも無く、少し安心したのだった。

宿泊施設に戻った僕達は、これからのことを相談していた。

「アークニート迷宮の攻略をあんな形で中断して、気持ちの切り替えが少し上手くいかない。あの迷宮に戻りたいと思わないんだ」

「その気持ちは私も分かるわ。でも、レベル20を目指したいのよね?」

「うん、その気持ちは変わらない」

「それならアークニート迷宮とは限らないけど、どこかの迷宮攻略をしなければいけないわ」

「そうだよね。レベルアップには迷宮攻略が一番だよね。…やっぱり、アークニート迷宮に戻るという方針で仕方が無いかな?」

「OKよ。私はレンの行く所なら、どこへでもついて行くわ」

「ありがとう。じゃあ、明日ギルドに報告して、出発しようか」

「そうしましょう」

翌日、アークニート迷宮へ戻るための連絡と手続きをしていると、ギルマスから呼び出しがかかった。

「まずは、エライザ様そしてレン、ドラゴンバスターの称号とAクラス冒険者証の授与、おめでとう御座います」

「ありがとう御座います」

「ふう…、レン、話は変わるが、厄介ごとだ。王族よりレン宛に依頼が来ている」

「どんな依頼ですか?なぜ厄介ごとなんですか?」

「依頼主は前王妃のエレーナ様だ。エレーナ様のことをかいつまんで説明しておく。エレーナ様は先王の第一妃で、男子をお産みになられたが、王子は病気がちで王位に就けなかったんだ。その代わりに王位に就いたのが、現国王陛下のカリス様だ。そのことを今でも根に持っておられるらしく、反国王派の中心人物となっている」

「依頼内容は、アークニート迷宮の完全攻略だ。但し、二人では危険だからと、二名の同行を条件としている。その二名というのが、王宮魔道士団の期待の星と言われているヴェリス・フォン・トリオール様と女神の奇跡と呼ばれているサリア教の聖女フェリーナ・フォン・エキシアン様だ」

「共に公爵家の子女だが、どちらの家も反国王派なんだ」

「フェリーナもヴェリスも共に交友がありますが、とても良い人たちですわ」

「エライザ様の言う通り、個人としては良い人たちなんだろうがな。いろいろな思惑が絡んで、何かしらの密命を受けている可能性が高い」

「一体、どんな可能性が…?」

「そうだな…。まさかレンに危害を加えるつもりは無いだろうが…。レンをエライザ様から離れさせた上で、反国王派に取り込む。アークニート迷宮の攻略をすることで、さらなる栄誉と名声を手に入れ、反国王派の力にする。あわよくば、パーティーメンバーとして女神様の試練に同行し、さらなる権力と栄誉をえる。そんなところかな…」

「いずれにせよ、反国王派の影響を大きくするために、レンを使うつもりだと思うぞ…」

「レンに危害を加えても、何の得にもなりませんもの、そんなことはしないと思うのですが、あの二人の実力は本物です。万が一そんなことがあったら、状況によっては、レンでも危ないかもしれない…」

「反国王派への取り込み云々は、僕がしっかりとしていれば問題ないと思う。でも、僕が狙われた場合、僕の能力やスキルは、相手に知られているから、安全のためには少しでも能力の上乗せをして、相手の知らない力をなんとか手に入れておきたいな」

「エライザ、僕は一足先にアークニート迷宮に戻ってレベリングをするよ。そしてエライザのそばには、分身体を残していく。本体と分身体は何度でも瞬時に入れ替われるから、必要な時に入れ替わるよ。で、入れ替わるときの、秘密の合図を決めておこう…いいかな?」

「ええ、いいわ。それでどうするの?」

「いい?僕がこうしたら、分身体に入れ替わる合図だよ。で、こうしたら僕本体が戻った合図にしよう」

「わかったわ。これは、この三人の秘密ね」

僕は分身の術を使うと、すぐにアークニート迷宮へと向かった。


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