表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/188

第71話 準備

第71話 準備

王都に戻った僕達は、まずギルドを訪れ、ギルマスのトッドに、これまでの経緯を説明した。

その後、上層部に報告が必要だとのことで、能力鑑定が行われた。

「レン、これから準備が大変だろうが、大丈夫か?ディアやライトに連絡は入れておいたが、リーズ村は今ちょっと忙しいようでな、来られないそうだ。レンの晴れ姿を見られなくて、とても残念がっているだろうよ」

「そうですか…残念ですが、仕方がないですね」

「式典は十日後に決まったぞ、式典の準備は家のものに手伝いさせようか?」

「その必要はないです。トッド男爵」

「男爵!?」僕は驚いてしまった、トッドが男爵だったなんて。

「エライザ様、ここでその呼び方は…」

「失礼、ギルドマスター。レンの準備は私が手伝います」

「そうですか?エライザ様ご自身の準備も大変でしょうに…」

「心遣い有り難う御座います。でも、大丈夫ですわ」

「わかりました。ところでレン、Aランク冒険者になったら、君も爵位が貰えるぞ。Aランク冒険者というのは、それほど名誉な事なんだ」

「僕が爵位を?…とても考えられません」

「そうか?ライトやディアも同じ事を言っていたが、爵位があればいろんな意味で便利だぞ。特に君には必要だと思うんだが…」

「まあ、今は良い。頑張って準備してくれ。エライザ様、レンを宜しくお願いします」

「承知いたしましたわ」

それからのことは、とても忙しく、記憶の一部がとんでしまうほどだった。

普段着の上品なものを一通り揃え、エライザのご家族に挨拶をし、礼服を二着仕立て、礼儀作法を徹底的に教えられた。

それに加え、国王陛下をはじめとする国の重鎮についての知識を、詰め込まれた。

いよいよ式典の前日となった日、エライザの実家であるオブストリア公爵家に、夕食会で訪れていた。

「レン君、忙しいときにもかかわらず、食事会に参加してくれてありがとう」

「こちらこそ、お食事会に招いて頂き、有り難う御座います。式典の準備に関してもお力添えを賜り、大変ありがとうございます」

「レン君、そんなにあらたまる必要はないよ。楽にしてくれ給え。先日は、挨拶程度しかしできかったから、エライザの腹毒の件を、ちゃんとお礼しておきたかったんだ。エライザを救ってくれて、本当にありがとう」

「とんでも御座いません。エライザ様は大切な仲間ですし、いつも僕の方が助けられております」

「レン、私からも改めてお礼を言うわ。本当にありがとう」

「エライザ…」

「ところで、授与式の準備はもう万端か?」

「はい、エライザ様のおかげで」

「そうか、明日が楽しみだな。所で話は変わるが、レン君は爵位を受けるつもりがあるのかい?」

「ギルドマスターにも先日聞かれたのですが、自分にはふさわしいと思えないのです」

「そんなことは無い。ドラゴンバスターでAランク冒険者というのは、爵位を授与するに値する名誉なことだよ。爵位があれば、身分が保障され信用が出来るから、いろいろな面倒な手続きが不要になったり、良いことも沢山ある。その反面、派閥争いには巻き込まれるかもしれないが…。まあ最も、爵位が無い今でも、派閥争いに巻き込まれつつあるがな…」

「爵位を受けるかどうかは、レン君が決めることだし、私がとやかく言う筋合いは無い。しかし、エライザのことを本当に大切に思うなら、受けることを考えて欲しい」

「!!」

「お父様!」

オブストリア公爵当主の思わぬ発言もあったが、それ以外は終始和やかなまま、食事会は終了した。

僕がすでに派閥争いに巻き込まれつつある?

エライザとのことかな?

それとも、僕の知らない所で、そんな動きがあるのだろうか…。

いろいろややこしいが、慎重に行動をしなければいけないな。

それにしても、公爵のあの発言…エライザはどう思っているのだろうか…。


読んで頂き有り難う御座います。宜しければ、高評価、ブックマーク登録をお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ