第63話 レベルアップ
第63話 レベルアップ
「レン、やったのね?余裕がなくて見てなかったんだけど、どうだった?」
「うん、鱗へ普通に手刀攻撃をしたときは、別に特別なことはなくて、鱗を割ることしか出来なかった。だけど、不意打ちで死点に攻撃したときには、どうしてかは分からないけど、あたった瞬間に手刀が輝いて、頭部を破壊したんだ」
「そんなことが起こったの?それってどういう事なのかしらね…」
「クリティカル攻撃が急所を捉えて、一撃必殺となったんだろうけど、今までは手刀が光ったりしなかったから、何かが違うんだろうね。単にレベルがカンストしたからかな…」
「まあでも、ドラゴンも一撃で倒せるって事よね?それならまた試してみれば分かるかもしれないわ」
「そうだね。じゃあ、どんどんドラゴンを狩っていこう」
それからドラゴンを狩っていったが、北東のブロックでは、アース・ドラゴンしかエンカウントしなかった。
フロックごとにエンカウントする魔物が固定されているのかもしれない。
アース・ドラゴンの討伐は特に問題なく進んだ。
単体が相手なら、危機感を感じることすらなかった。
二体なら、分身の術を使用するだけで問題なく対処できた。
それでも、三体以上のドラゴンが出現したときには、危機感を感じ事があり、時間停止を行うこともあった。
それでも、順調に北東ブロックの攻略を終えることができた。
何度もドラゴンを倒して気づいたことは、死点に不意打ちで攻撃したときには、やはりあたった瞬間に手刀が輝いて、その部分が破壊されるということ。
その時、手刀の先端部より2mほどの光の刃が伸びているように見え、その光の刃が霧散するときに爆発を起こしていることだった。
ドラゴンは強敵であるためか、倒したときの経験値が多く、沢山のアース・ドラゴンを狩ったため、レベルアップを果たすことが出来た。
レン 人間族 15歳 男
職業 忍者 職業レベル16↑
基礎ステータス
力 20、知性 20、信仰心 20、生命力 20、体力 20、敏捷性 20、
幸運 20、器用さ 20
職業スキル
ステルス レベル10、遠見の術 レベル10↑、暗視 レベル10、
気配察知 レベル10、状態異常抵抗 レベル10↑、暗殺 レベル10、
投擲 レベル10、分身の術 レベル4↑
固有スキル
時空間操作 レベル10、魔力操作 レベル10
生活魔法
火属性 レベル10↑、水属性 レベル9、風属性 レベル9↑
土属性 レベル8、精神属性 レベル10↑
その他 攻撃魔法適正なし
今回のレベルアップでも、攻撃魔法や必殺技の収得は出来なかった。
しかし、多くのスキルがカンストした。
また、分身の術はレベル4になり、分身体を作り出せるのは一体だけのままだが、本体から400mまで離れることが出来るようになった。
*
ギルドカウンターでドラゴンの鱗を換金していると、ホークアイのリーダー、ジャジーが話しかけてきた。
「凄いな!またドラゴンを狩ったのかい?初めて会ったときはまだCクラス冒険者だったのに、もう僕たちより遙かに先を行ってる。全くもってたいしたもんだよ」
「いや、とんでもありません。初めて会ったときのお気遣いや、アークエンジェルの救出に向かったときの戦いぶりなど、先輩達は冒険者の鏡です。僕たちが到底及ぶ物でもありませんよ」
「何を言ってる、謙虚なのもいいが、ほどほどにしとけよ」
「で、話は変わるが、ちょっと聞いていいか?」
「何ですか?」
「うん、君たちは付き合っているのか?」
「えっ?」
「いや、ライジングサンが二手に分かれてから、君達の距離がどんどん近くなっているように見えたからな、みんなの噂になっているんだ」
「えっ、そうなんですか?全く気づいていませんでした」
「まあ本人達は気づかないものさ、で、どうなんだ?」
「どうと言われても…」エライザをふと見ると、真っ赤に頬を染めて、俯いているのだった。
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