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第62話 手刀

第62話 手刀

第二層のボス、ゴースト・エンペラーの部屋の前までやって来た。

エライザにエンチャンテッド・ブレードの呪文をかけて貰う。

この魔法は、武器にエンチャントしているように間違われることが多いが、実は人にかかっているのだ。

すなわち、たとえ手刀攻撃であって、その効果が現れるのである。

ゴースト・エンペラーを倒すにあたって、今回は手刀攻撃の威力を試すことにしたのだ。

扉を開けて中に入ると、部屋の中央部にゴースト・エンペラーがいた。

僕は素早くゴースト・エンペラーの元まで走って行くと、大きくジャンプした。

ゴースト・エンペラーは幽霊型の魔物であるが、その体長はそれに似つかわしくないほど高い。

ゆうに5mを超えている。

僕はゴースト・エンペラーの顔に当たる部分まで跳躍すると、手刀で攻撃を加えた。

すると、大きなダメージを受けたのか、ゴースト・エンペラーの体が揺らめくようにかすんだ。

着地した僕は、ゴースト・エンペラーに手刀攻撃を繰り返した。

その度にゴースト・エンペラーは大きく揺らめき、数発も攻撃を与えると、魔核が見えてきた。

エライザは、一連の僕の行動を見ていたが、魔核が見えたとたんにジャンプしたかと思うと、シューティングスターで突きを入れ、魔核を破壊した。

「手刀攻撃の威力はかなりのものね」

「うん。前に手裏剣で攻撃したときは、魔核が見えてくるまで十数発は攻撃が必要だった。それが手刀なら数発だった」

「ドラゴンにも期待できそうね。鱗を貫通できるかもしれないわ」

「試してみないとね」

「じゃあ、第四層に下りましょう」

                 *

第四層は、少し変わったダンジョン構成をしている。

通路にあたる部分は少なく、大きめの部屋がいくつも並んでいる。

各部屋は隣接しブロックを形成している。

北東、北西、南東、南西の四カ所にそれぞれ部屋のブロックがあり、それを隔てるように十字に通路が存在する。

階段を下り、第四層にはいると、その十時の中心に出てくる。

そのまま少し東に進むと、左右に扉がある。

前のときは、左手の扉を開け、アース・ドラゴンと遭遇した。

今回も、迷うことなく左手の扉を開け、飛び込んだ。

アース・ドラゴンだ。

扉を開け入ってきた僕たちを確認すると、アース・ドラゴンはブレス攻撃をしてきた。

アース・ドラゴンのブレス攻撃は、方向性を持った円錐形の暴風に、大小様々な岩が含まれたような攻撃で、あたれば物理的なダメージが大きい。

僕は、そのブレスを避けながら、アース・ドラゴンへと向かっていった。

足下までたどり着いた僕は、ドラゴンの足に手刀で攻撃を加えた。

硬い岩にでも攻撃を加えたような、感触が腕に伝わってくる。

しかしその攻撃は、鱗にひび割れを来すことに成功した。

僕は、すぐ近くまでやって来ていたエライザに目配せをし、そこを攻撃するように促した。

そして、そのまま素早い動きでドラゴンの背側へまわった。

エライザは、割れた鱗に、シューティングスターで攻撃を加えはじめた。

シューティングスターは割れた鱗を貫通し、ダメージを与えている。

ドラゴンはダメージによりブレス攻撃をやめ、足下で攻撃を続けるエライザに攻撃を加えようとしている。

完全に僕のことは意識の外である。

僕は背部より跳躍し、アース・ドラゴンの顔面部へ降り立った。

意識外から突然現れた僕に、アース・ドラゴンは全く対応できていない。

僕は手刀を眉間に突きいれた。

手刀が眉間にあたった瞬間、手刀はまばゆい光を放ち、ドラゴンの頭部は爆弾でも爆発したかの様に、破裂した。


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