第43話 食事会
第43話 食事会
誰かとはやく打ち解けるには、一緒に食事を摂るに限る。
僕たちのパーティーは、みんなで昼食を摂りながら、これからの予定を相談するつもりでいた(…が脱線した)。
因みに、料理は肉料理が良いらしく、ファイティング・ブルという牛に似た魔物の料理である。
「このステーキは美味しいわね」とレイリア。
「こっちのハンバーグも美味しいよ。また上に焼き卵がのっているのが良いね。ターンオーバーでないのがちょっと残念だけど…。」とメンデス。
「メンデスがまた言ってる。サニーサイドアップで正解」とサーシャ。
「もうその話はやめようよ、どうせ結論も出ないし」と僕。
「それは何の話なのですか?」とミーニャ。
「以前ね、卵の焼き方でサニーサイドアップ派とターンオーバー派に分かれて、口論したことがあったんだ」
「でもレンの茶々が入って結論が出ていないままですわ。因みにエライザやミーニャはどちら派なのですか?」とレイリア。
「私は、あまり焼き卵を食べたことがないので、どちらでも…」とエライザ。
「そうか、焼き卵は庶民の食べ物だよね」
「そんなことはないと思いますが…」
「エライザを困らせては駄目なのです。私はサニーサイドアップ派なのです」
「ミーニャもリンと同じでサニーサイドアップ派ですね。また二対二ですわ」
「だからもういいって…」
「そういえば、またゆで卵を食べたいな」とメンデス。
「それはどんなものなのですか?」とエライザ。
「僕の故郷の卵調理法でね、卵を殻ごと茹でるんだ。試してみる?」
(そうだな、前回はあまり受けが良くなかったみたいから、今度は半熟にしてみよう…)
部屋に帰ってから、人数分のゆで卵を作るべく、水を張った鍋を用意した。
魔力で熱くなった手を水につけ、沸騰させ、その中に卵を6個入れた。
最初はかき混ぜながら茹ではじめ、7分ほど茹でた。
もちろん時空間操作スキルを使っているので、みんなの体感時間は1分ほどしか経ってないだろう。
「出来たよ」
「もう出来たの?ずいぶん早いわね」
「うん、半熟といって黄身をトロトロに仕上げたから、茹で時間が短くて済んだんだ。それに時空間操作スキルのレベルが上がって時間に干渉する力が上がったし」
「なるほど…。じゃあ食べてみるね」
「わあ、黄身がトロトロ、パサつかなくて美味しい」とサーシャとミーニャ。
「うーん、前の方が美味しかったかも…」とメンデスとレイリア。
「結局、卵の焼き方の好みの差も、単に黄身の硬さの好みの問題なのかもね」と僕。
「で、エライザはどう?」
「塩をふるだけの味付けだけど、美味しいわ」
「そう?他にこんなのも出来るよ」
今度は水温を70度弱に保ち、温泉卵を作ってみた。
魔力操作と生活魔法の火魔法と鑑別スキルのレベルが上がり、水温をモニタリングしながら水温調節も細かに出来るようになったのだ。
「何これ!変な感じ…」
「僕の故郷では温泉卵というんだけど…、口に合わなかったみたいだね…残念」
「じゃあ卵のことはこの辺で終わりにして、明日からの予定の確認をしよう。明日は、アークワン迷宮で一日かけて連携の確認をする。明後日からアークニート迷宮に向けて出発しよう。アークニート迷宮は、ここから馬車で一日程の距離がある。迷宮の近くには簡素な宿屋と魔法道具屋はあるけど、品揃えは悪いから、今日中にたっぷり買い出しをしておこうね」
「了解!」
「私も買い出しに連れて行ってください」とエライザ。
「もちろん。一緒に行こう」とみんな。
「メンデス、ちょっとお願いがあるんだけど………お願い」
「あー、僕も同じ事を考えていたよ、任せて、レン」
「じゃあ、任せたよ」
「OK」
「それじゃあ、一旦解散して、後は各自でお願い」
「了解」
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