第24話 グレーター・デーモン
グレーター・デーモンとの戦闘です。
第24話 グレーター・デーモン
グレーター・デーモンは体長3mを超す大型の悪魔である。
頭部には三本の角があり、その相貌にはまるで表情が宿っていない。
まるでぬいぐるみの目のような黒目のみからなるその目は、死んだように濁っており、開いた口からは大小様々な牙が見えている。
背中に大きなコウモリの皮膜でできた様な羽が一対生えており、体はうろこの様に硬いゴツゴツとした紫色の皮膚で覆われている。
僕たちはこの悪魔を見た瞬間に、その異様さに圧倒された。
しかしそれに臆することはなく、速やかに攻撃態勢に入った。
僕とリンは側面から攻撃をすべく走り出した。
メンデスは盾を構えて真正面から対峙しようとしている。
レイリアはサイレントの呪文を、サーシャは火球魔法の詠唱を開始した。
グレーター・デーモンは、そんな僕たちに気を止めることもなく、悠然と構えていたが、ゆったりと呪文を紡ぎはじめた。
僕やリンは短剣で切りつけるが、皮膚は硬く、あまりダメージを与えることができなかった。
メンデスは大きな動きで相手を威嚇しながら、長剣で切りつけている。
レイリアとサーシャは呪文を完成させたが、残念ながら無効化されてしまった。
「呪文を無効化されたわ。魔法攻撃を止められない」
「あれは爆炎魔法。みんな退避して」
グレーター・デーモンの呪文が完成し、爆炎が僕達を襲った。
僕とリンは、グレーター・デーモンの側面に回っていたことで、呪文の効果範囲から逃れることができた。
メンデス達は退避を試みるも、呪文の効果範囲に入ってしまい、少なくないダメージを負ったようだ。
「リン補助に回って回復を優先。レイリアは回復呪文後、もう一度サイレントを。サーシャは魔法軽減バリアを頼む!」口早にメンデスが指示を出す。
「レンはできるだけ攻撃の手数を増やしてくれ。呪文の詠唱を少しでも遅らせるんだ」
メンデスは指示しながら、グレーター・デーモンを正面から攻撃している。
僕は手刀での攻撃に切り替え、高速移動しながら何度も何度も切りつけた。
そんな僕たちを気にとめることもないまま、グレーター・デーモンが二度目の呪文の詠唱を開始した。
「サーリ・ターレイ・シュレイド・シオン、神気よ、空に満ちて魔を封じよ!サイレント」レイリアのサイレントの呪文は、今度はグレーター・デーモンの呪文攻撃を無効化することに成功した。
「やったわ!呪文を封じたわよ」
グレーター・デーモンは呪文を封じられると、今度は直接攻撃に切り替え、麻痺や毒の効果を持つ鋭い爪で攻撃してきた。
メンデスはヘイトを取りながらも、その攻撃を上手く盾で防いでいる。
僕はその間も、執拗に手刀での攻撃を繰り返していた。
手刀攻撃は、小さなダメージしか与えられていなかったが、その攻撃を特定の場所に集中したことにより、硬い皮膚を突き破り、深く切り裂くことに成功した。
チャンスだ!
そう思った僕は、一旦グレーター・デーモンの視界にわざと入り、ナイフを投擲し、こちらに注意を向けさせた。
そして注意が向いた瞬間に、ステルス・スキルと時空間操作スキルを使い、死角に入り込み、一気に距離を詰めた。
完全に相手の不意を突く事に成功した。
そして、グレーター・デーモンの右大腿部に手刀を思いっきりたたき込んだ。
そこは、先ほどから執拗に攻撃を繰り返していた場所である。
覆っていた硬い皮膚は、すでに手刀で切り裂かれており、不意の一撃によって、右足を切断することに成功した。
これによってグレーター・デーモンは大きく体勢を崩した。
メンデスは、隙を逃さず、素早い剣捌きでグレーター・デーモンに攻撃をしかけている。
グレーター・デーモンは体勢を崩しながらも、鋭い爪で攻撃を捌いていたが、とうとう捌ききれなくなり、剣によるダメージを徐々に蓄積していった。
僕は再度死角から攻撃を仕掛けた。
時空間操作スキルを使って、突然グレーター・デーモンの正面に現れ、手刀を眼窩より突き入れたのだ。
目は硬い皮膚に覆われていない。
そこなら攻撃が通用すると考えたのだ。
心臓や首、脳といった場所は、すべての生物の急所である。
グレーター・デーモンも例外ではない。
手刀は深く突き入り、眼窩の奥にある脳を破壊することに成功した。
グレーター・デーモンは動きを止め、倒れたかと思うと、やがて煙のように消失していった。
「やった!!」みんなは喜びとともに安堵の表情を浮かべている。
危険な戦いだった、もう一度爆炎攻撃を食らっていたら、どう転ぶか分からないところだった。
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