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道参人夜話  作者: 曽我部浩人
第六章 ~ 疱瘡婆
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序章 秋田美里の談

 



 どうしよう──あたしのせいだ。


 あたしの一言が、彼女を突き落としてしまった。


 何度も後悔したし、何回も謝ったし、何遍(なんべん)もお見舞いに通っている。

 だけど、許してくれない。許されるわけもない。


 彼女は何も答えず、何も語れず、何も喋れず──眠り続けている。


 許されるわけがない──彼女はあたしのことを怒っているのだ。

 現にこうして、その怒りがあたしに現れている。


 ──単なる吹き出物ともニキビとも違う、堅くて痛い不気味なブツブツ。


 医者にも見放された原因不明の奇妙な(やまい)


 これこそ彼女の怒りの証、恨みの形──あたしを責める呪い。


 あたしだけじゃない。学校のみんなにも似たような病気が流行っていた。

 彼女をあんな風に呼んでしまったから……みんなそう思っている。


 でも違う──本当に責められるべきはあたし一人。


 あたしだけは許されない。許されるわけがない。

 全ての原因はあたしにあるのだ。


 どれだけ自分を責めたかわからなくなった果てに、あたしは不思議なオジさんと出会った。お坊さんの格好をした不思議なオジさんだった。


 オジさんはあたしの悩みを一発で見抜いた。それだけじゃない。


 霊能力者みたいな不思議な力で、あたしの気持ちを楽にしてくれたのだ。


 そして、不思議なオジさんはあたしを助けてくれると約束してくれた。

 怪しい人だ、と思わなかったわけじゃない。


 それでもあたしはオジさんの力に頼っていた。


 不思議な力に(すが)らなければ立ってもいられない、そんな気分だったからだと思う。




「……オジさん、お願い……みんなを……あたしたちを……助けて……」




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