浮遊要塞ウラヌス
現在、アルマ達は公国に向かって歩いてる最中だった。
『さっきの爆破、アルマ様だとバレてたみたいですよ』
このデータベースにはリアルタイムで情報が入ってくる。それはいいのです。うん。
『それにしても…ぷぷっ…は、破光の魔王…ぷっふふ…』
やめて!そのワードを聞くだけでなんだか行き場のないもどかしさを感じる!誰だそんな名前つけたやつ!
『それが羞恥心なんですよー覚えておきましょーね^^』
いつかこのデータベースにボディを与えて仕返ししてやる…
「アルマさん?どうかしました?」
1人で悶えてたのを心配そうにエリーゼが様子を伺ってきた。
「そっとしておいて下さい…」
「え、えぇ。何があったかは触れないでおくわ…ところで2人に聞いてもいい?」
「どうしたの?」「どうしました?」
「まさか徒歩で公国まで行くつもりじゃないでしょうね?」
「あっ」
エイミーが今気づいたような声を出した途端、エリーゼの顔から笑顔が消え去った。
「いやいや!待って!言い分を聞いて!私はアルマちゃんが乗り物持ってると思ってたの!」
「いくらアルマさんでもそんなもの何処にもないでしょ!「ありますよ」…え?」
「あるにはあるんですが…出した瞬間だけ大騒ぎになるかも知れませんよ?エリーゼ怒りません?」
「そこまで言われると気になりますね…怒らないので出してみてくれませんか?」
「わかりました。虚数空間接続、『対界要塞ウラヌス』起動」
突如、空を包む虚数空間から巨大な「何か」が降りてくる。アルマ以外の2人にとってそれは全貌がわかった途端、姿を消した謎にまみれた物だった。
「これは『対界要塞ウラヌス』です。今見えなくなっているのはステルスフィールドの効果です。これの元々の使い道はひとつの「世界」を相手に砲門を向ける事です。墜落の心配はありません…どうかしました?」
「なんか…うん。ここまでくると怒る気にもならないですね…いいですか?私達はいいですけど他の人の前で物を出す時は考えてからにしなさいね」
「?わかりました。とりあえずそこで目を瞑ってじっとしておいて下さい。」
数秒後、目を開けるように促された2人はそこにあった光景に驚いていた。
「す、すごい…こんな大きな建物が浮いてるなんて…」
「帝国の城塞よりも大きいですね…」
『こんにちは!』
「な、なに?!」
あ、なんか聞き覚えがある嫌な声が
『いつもアルマ様の傍で密かにサポートしてるデータベースです!皆さんの事も見させて頂いてますよ!これからもアルマ様をよろしくお願いしますね!』
「えぇ、任せなさい!ウザさだけには自信があるからね!」
「私は姉さんの抑止力として頑張らないといけないですね…これからもよろしくお願いします」
あーやめてやめて!なんか恥ずかしいですから!
「あーもう行きますよ!目的地は公国!」
こんなにやばい物体が静かに着々と公国に近づいていることを公国民は知る由もなかった。




