―第0️⃣3️⃣4️⃣話― 【思春期の男子】雨合羽を着ない息子と、報われない父の想い
昨日の夜半過ぎから、私の住んでいる地域ではシトシトと雨が降り続いています。
この時期の雨は、ただでさえジメッとしているところに不快感が重なって、本当に憂鬱な気分。
それは子どもたちも同様のようで、今朝の娘は、傘を差しながら周囲のすべてに対して不機嫌なオーラを放っていました。
まぁ、そういうお年頃です。父は黙って駅まで車で送り届けました。
問題は、その後に遭遇した息子の「謎の奇行」です。
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自転車通学の息子のために、私は前々から入念な準備をしていました。
「リュックを背負ったまま着られる」高機能雨合羽
「雨合羽を着ると荷物が濡れる」という息子のリクエストに応え、背中のチャックを広げるとリュックごとカバーできる優れものを奮発。
プーマの防水型スニーカー
メッシュの靴だと一瞬で靴下がぐっしょり濡れて不快感がマックスになります。流石にレインブーツは嫌がる年頃なので、見た目もおしゃれな合皮製の防水シューズを新調。「これカッコいいじゃん!」と息子も気に入っていました。
これで雨の日の通学も完璧。不快感ゼロ。
我ながら完璧なプロデュースだと自負していたのですが……。
今朝、娘を駅まで送って家に帰り着くと、ちょうど息子が自転車で出発するところでした。
その姿を見た瞬間、私の脳内は「?????」で埋め尽くされることになります。
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想像してみてください。
息子は、雨が振り続ける中、奮発した高機能雨合羽を「手に見事に持ったまま」自転車にまたがっていたのです。
いや、なぜだ。
なぜ玄関で着ない。わざわざ外に出てから、それも私と出会わなかったら雨合羽を着らずに、雨に打たれながら行くつもりだったのか。
さらに足元を見て、私は絶句しました。
お気に入りのプーマの防水シューズではなく、わざわざ「通気性抜群(=水吸い込み性抜群)」のメッシュのスニーカーを履いているではありませんか。
案の定、出発前の時点で靴下はすでにぐっしょり。不快感マックスへの特急券を自ら握りしめています。
極めつけは、背中のチャックです。
「リュックを背負えるようにして!」と言った張本人が、なぜか荷物をすべて「前カゴ」にドサッと置いている。
カゴに入れたら、その高機能チャックの意味がないどころか、荷物が大洪水を起こします。
見かねた私が慌てて家から大きめのゴミ袋を持って走り、荷物を包んで前カゴに押し込みました。
父のこだわり、ことごとく全否定。
私の親心は、雨水と共に排水溝へと激しく流れ去っていきました……。
――――――
実は、昨晩もこれに似た話をしていたのです。
「最近、自転車の取り締まりのニュースも多いし、重い荷物を前カゴに入れるとバランス崩して一発アウトになるぞ。背負った方が安全だ」と私が諭すと、息子は「いや、前カゴの方がいい」と一歩も引きません。
「お前、前と言ってることが違うじゃないか!」と私が正論を突きつけたその瞬間、我が家の妻がカットインしてきました。
「お父さん、少しは息子の話を聞いてあげたら?」
……えっ、私の味方は?
高機能雨合羽の決済ボタンを押したの、私なんですけど。
――――――
完全に孤立無援となった私は、リビングで4匹の猫たちに愚痴をこぼしていました。
「なぁ、ちゃとらん。俺はただ、あいつの靴下が濡れないように、荷物がびしょびしょにならないようにって思ってさ……」
すると、ソファの上で丸くなっていた食いしん坊のちゃとらんが、
「ふぁ〜あ」と大きなあくびをしながら、冷ややかな視線を送ってきました。
ちゃとらんの心の声:
「お父さん、男子はね、機能性なんてどうでもいいの。『靴下濡らすの、なんか野生っぽくて楽しい』——そういう次元で生きてるのよ。それより早く、おやつを出しなさい」
どうやら、プーマの防水シューズよりも、高機能な雨合羽よりも、男子高校生の「謎のこだわり」と「猫の食欲」の方が、遥かに難解なロジックのようです。
濡れた靴下で授業を受けているであろう息子を想像しつつ、私は静かに温かいコーヒーでも飲んで心を落ち着けます。
皆さんのご家庭でも「理解できない男子の行動」あるんじゃないですか?




