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08 やってから気づいた
やらかした!
やってから気づいた。
あんなレア素材ばらまいたら有名になっちゃうじゃねーか。
国からスカウトくるどころの話じゃねーよ。
その後、俺のアトリエにはオリハルコン錬成の話を聞きつけた人間がわんさと訪れた。
常識的に頭を下げる連中はまだいい。
誠意をもって追い返すか、悪戯して追い返せばいいだけだから。
でも、非合法的に誘拐しようとかするのはなしだ。
俺の人権どこいった。
あと、他の人間に渡るくらいなら暗殺してこいとか命令するのも、ナシ!
「うわわああっ、助けてくれーっ!」
凄腕の錬金術師だけど、戦闘能力も体力もないからな。
死の追いかけっこが始まって、すぐに死にかける。
けど、そこを助けたのはあの兵士だった。
「民を助けるのが兵士の役目! お前たちかかりなさいっ!」
「行くのです!」
「なのであーる」
あー、これ恩を返さなくちゃいけないパターン?
保護されなくちゃ生き延びれないルートに入っちゃった?
何にせよ、平穏で楽しい第二の錬金術ライフはなくなってしまったようだ。
ああ、俺の夢が。