第1話 万象の始まり
――今から、約一万年前。
世界は、戦争の終わりを迎えた。
その戦争は、後に【天魔大戦】と呼ばれる。
天界と魔界が始めた、終わりなき殺し合いだった。
発端は不明。
正義も、悪も、最初から存在しなかった。
天界は秩序を掲げ、魔界は混沌を肯定した。
思想の違いはやがて刃となり、炎となり、雷となって衝突する。
その被害は、天界と魔界だけに留まらなかった。
戦火は地上世界へと降り注ぎ、精霊世界にまで歪みをもたらす。
森は燃え、海は荒れ、精霊たちは住処を追われた。
長年にわたる戦争の果て、双方は理解した。
このままでは、どちらも勝てない。
ならば――終わらせるしかない。
天界は創り出した。
世界を貫く、白き雷。
最終兵器【白雷】。
魔界もまた、答えを出す。
すべてを焼き尽くす、黒き炎。
最終兵器【黒炎】。
二つの力は、同時に解き放たれた。
結果は、滅亡だった。
天界は崩れ、魔界は消えた。
だが、白雷と黒炎は止まらない。
意思を持たぬ力は、ただ世界を壊し続けた。
そこで、生き残った者たちが立ち上がる。
地上の種族、天界の残党、魔界の生き残り、精霊界の者たち。
彼らは協力し、二振りの器を造り上げた。
黒炎を封じるための剣――【黒獅子】。
白雷を封じるための刀――【白雲雀】。
封印は成功した。
二振りは、とある祠に納められ、世界はようやく破滅を免れた。
それから十五年。
世界はまだ、復興の途中だった。
国は乱れ、争いは絶えず、人々の心は荒れていた。
そんな混沌の中で、ひとりの青年が立ち上がる。
名は――【ヴォーダン】。
彼は自国のため、そして世界のために各地を巡った。
紛争を止め、魔物を討伐し、弱き者を守った。
だが、その力は強すぎた。
人々は畏れ、やがて囁き始める。
――あれは、人ではない。
――化け物だ。
国は彼を脅威と判断し、死刑を宣告した。
ヴォーダンは逃げ延びた。
だが、その逃亡の果てに見たのは、救われない世界だった。
絶望は、復讐へと変わる。
三年後。
ヴォーダンは【魔王】と呼ばれる存在になっていた。
そして――
その前に立ちはだかる、ひとりの若者が現れる。
名は、【レギオン・アース】。
彼は、天魔大戦が終結した時に生まれた。
女神と鬼神、その狭間に生まれた子。
レギオンは仲間と共に世界を巡った。
創世の魔法使い【ティアリカ・インヴェルス】。
赫龍神【クリムゾン】。
元精霊女王【グロリアナ】。
エンシェントドワーフ【ヴァイス・ノル】。
その旅の途中、彼らは祠に封じられていた二振りと出会う。
黒炎を封じし剣【黒獅子】。
白雷を封じし刀【白雲雀】。
そして、レギオンはそれらを手にした。
ヴォーダンの配下を打ち倒し、各地の戦乱を越え、
ついに――魔王のもとへ辿り着く。
ヴォーダンとレギオンの戦いは、三日三晩に及んだ。
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山が、削れた。
ヴォーダンの放つ魔法が、大地を抉る。
岩盤が砕け、山肌が崩れ、土煙が空を覆う。
だが、レギオンはそこにいない。
爆発の直前。
雷鳴より速く、彼は跳び、滑り、躱していた。
黒獅子が唸り、白雲雀が光る。
魔力の奔流の中を縫うように進み、
レギオンは一気に距離を詰めた。
懐。
一瞬。
刃が閃く。
斬り上げ。
その一撃で、雲が割けた。
空が裂け、陽光が差し込む。
ヴォーダンの身体が吹き飛び、地面に叩きつけられる。
戦いは――終わった。
地面に仰向けに倒れるヴォーダン。
空を見上げたまま、静かに息を吐く。
そこへ、足音。
レギオンが歩み寄る。
「レギオン……君なら、僕の気持ちが分かるはずだ」
ヴォーダンは言った。
レギオンは答えない。
ただ、分かっている者の表情で、黙っていた。
「いずれ、君も世界から拒絶される」
その言葉に、レギオンは少しだけ笑う。
そして、ほんの少しだけ――悲しそうに。
「……そうかもな」
「だったら……」
ヴォーダンが続けようとした、その瞬間。
レギオンが、かぶせるように口を開いた。
「そうかもしれない……それでも俺は――――」
その言葉の先は、語られない。
ここから先は、まだ――
誰にも知られていない。
|物語は、ここから始まる。
皆様はじめまして申仁と申します。本日は私の初めての作品を読んで頂きありがとうございます。実は私自身文章力が無いので、本文を自分なりに一生懸命書いてからAIに修正してもらってそれをもう一度確認修正のやり方をしております。もしかしたら読みにくいところがあるかもしれませんが暖かく見守ってください




