FEATURING OF 北城蓮華
早霧高校二年生、北城大翔。
学園のプリンスと呼ばれている、美少年。
しかし彼には、もう一つの顔があった・・・
☆蓮華side☆
小さいころから、『かっこいい』と言われるには程遠い顔だった。
何かしてるわけでもないのに肌は白く、顔だって小さい。
おまけにこの「レンゲ」という名前のせいか、男に見られることはほとんどなかった。
「北城って変な名前だよなあ。男なのにレンゲなんて~」
「本当は女の子なんじゃねぇの~? レ~ンちゃん?」
「うるさい!!! 気安くちゃん付けで呼ばないで!」
若葉園に来たのは、小学三・四年の頃。
それまではちゃんとした親もいて、普通に幸せに暮らしていた。
でも事故で死んじゃって、一気に一人ぼっちになって。
母の知り合いだという園の先生に誘われて、ここへ来た。
その時から女だとからかわれたり、嫌がらせをされたりと、軽いいじめを受けている。
僕にはそれが、嫌で嫌で仕方なかった。
「ねぇ先生……僕ってなんでこの名前なのかな……みんなからバカにされるし、女の子と間違われるし……もう嫌だよ」
「レン君。あなたの名前にはね、お母さんとお父さんの願いが込められているのよ」
「願い?」
「こっちにおいで」
すると先生は庭の方へ僕を連れてゆく。
そこには、小さな小さな花があった。
ピンク色の花が、こちらを向くように咲いている。
「この花はね、蓮華草っていうの」
「蓮華……僕の名前と同じ……」
「心が和らぐ、って意味があるの。あなたのお母さん達はきっと、そういう子に育ってほしいって思いがあったんじゃないかしら」
「ふうん……」
「レン君の名前、先生は好きよ? とってもきれいだから」
先生は、いつもそうやって励ましてくれた。
大嫌いな名前がよく思えたのも先生のおかげ。
母が残してくれた、たった一つの願い。
だから僕は、この時から決めていた。
ここに残ること、先生のために何かできることをしようって。
「レンちゃんレンちゃん! この服、先生に買ってもらったの! 着てみない?」
「嫌だよ! 僕男だって何回言えばわかるの!?」
「男だっていうけど、どーみても女じゃん。もう女として生きれば?」
同じくらいの少年少女が、ケラケラ笑っている。
その日も相変わらず、からかわれたりいじめられたりしていた。
女の子からはこれ着ろだの言われて、女性用の服を押し付けられたり。
男の子はそれをみて、面白がっている。
こんなのが、日常茶飯事。
それに慣れてきてしまっている自分が、もっと嫌いだ。
どうして僕だけ、こんな目に合わなきゃいけないんだろう……
「なんでさあ、やめろっていわねぇの?」
ふとその時、声が聞こえた。
振り返るとそこにいたのは、一人の少年だった。
少年は僕の方に近づいてくると、興味深そうに眺めだした。
「あー……確かに近くで見たら女だな」
「な、何いきなり……あんまりじろじろ見ないでよ」
「嫌なんじゃねぇの? 女ってからかわれるの」
「関係ないでしょ。ほっといてくれる?」
「人が困ってんの見て、黙ってられるかっての」
初めて、言われた。
先生以外、僕のことを気遣ってくれる人なんていないのに。
その人はいじめていた少年少女に軽く説教じみたことを言うと、何事もなかったかのように園の中へ戻っていく。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!」
気が付いた時には、声をかけていた。
少年のもとに近寄りながら、おそるおそる口を開く。
「君……新しくここに来た人? 見かけない顔だけど」
「母さんが、出かけてる間だけここで面倒見てもらえってさ」
「ふうん……」
「お前が噂の〝レンちゃん〟だろ? あの先生から聞いた」
「……変でしょ? 男なのに、レンゲなんて」
「いや? 別に」
あまりの答えに、えっと驚く。
信じられなくて、その人から目をそらすことができない。
少年は平然とした顔で、さらりと一言。
「人の名前にとやかく言うつもりねぇし、馬鹿にする人ほどちっせぇ奴だと俺は思うけど?」
「……変わってるね……君……」
「お前もお前でもうちっと自信持てよ。名前の通り、きれいな顔してんだから」
その人が変わっていたのかいないのか。当時の僕には、わからなかった。
たった一度だけあった、名前もしらない彼。
ああいう人になりたいな。
強くて、優しくて、頼もしくて。誰もが親しんでくれそうなー
その時、僕は思った。演じよう、みんなが望む北城蓮華像を。
名前も何もかも変えて、新たな自分として。
それが今の僕、北城大翔を結成する第一段階だったのだった。
(本編へ To Be Continue・・・)
はい、ここで問題です。ちゃらん♪
レンちゃんを助けたというこの少年は、
一体誰でしょーか?
正解はCMのあとで!
・・・え? CMなし? 困ったなあ。
次回、レンちゃんちにお泊りです。
レンちゃんがいっぱいでてきますよ?




