75.【糸分身】っ! (VS すももさん①)
「―――いやー、負けちゃった……」
「それでもかなり接戦でしたけどね……」
姉さんとすももさんがそう言いながら控室に入ってくる。
準決勝第二回戦の勝者はすももさん。
姉さんもいろんな魔法で対抗してたみたいだけど―――
「まさか魔法を斬られるとは……」
「私のスキル〔魔法切断〕のお陰ですね!」
―――そう、何と魔法を斬って斬って斬りまくり、接近戦に持ち込んだ。
……いや普通に姉さんレベルになると魔法の速度まあまあ速いけど!?
……まあ、魔法職―――というより後衛職は接近戦に弱いという定説通りに勝っていた。
……僕は勝て……る…のか……?
正直勝てる気がしない……
いやでもここまで来たなら全力で行こう!
……一応まだ奥の手を隠してるしね!
@@@
私とナギさんが会場の中央近くで構え合い、いつでも攻撃が可能なように準備をする。
『用意―――』
会場はすでに大きな熱狂に包まれており、やはり両者共々応援の声が多い。……私はまだ―――勝ちは譲りませんよ……?
『始めぇ!!』
準決勝より微妙に声が大きくなった合図と同時に私はナギさんに向かって駆ける。
―――が、
「〔限界突破〕〔遠隔糸術 【糸分身】〕!」
「なあっ!?」
ナギさんを起点に少しだけコミカルな音が鳴りながら煙幕が広がる。
これは……私はまだ知らない技ですね……スキル名的にそのまま分身?というかそのスキルって【遠隔糸生成】以外にもあったんですか!?
いつもそのイメージが強すぎて完全に頭から抜けていた……かもしれません。
それは兎も角、どうやって動きましょう……正直どう動いてくるかは分かりませんね……
―――うわっと!
煙幕の中からいつもの糸がこちらに発射されました。確かこの技は固定ダメージだったはずですね……
そして煙幕が晴れ、その姿を確認する。
「あれ……?」
一人しか居ない……分身が出てくるわけではなかった……?
そう考えていたら―――
『てやぁ!』
「―――ッ!」
後ろから攻撃!?いつの間に……!
「―――やっぱり、一筋縄では行かなさそうですね……」
私はそう言いながら警戒を最大限まで高めた―――
◆世界観設定
『〔魔法切断〕』
〔魔法〕系スキルを切断し、破壊する技。
発動時、放たれた魔法の核が視認できるようになり、それを”斬撃”属性付きの武器で破壊する事で魔法の及ぼす影響を消滅させることが出来る。
因みに魔法の威力等が高ければ高いほど核の大きさ、強度は変わっていく。
ーーーーーー
【あとがき】
矛盾や誤字脱字があったら是非ご報告を!コメントや☆も押してくれたら嬉しいです。リアクションも勿論嬉しいです。




