70.僕はあくまで後方支援職。アーユーオーケー?(VS カルガさん②)
「『針』!」
僕がそう唱え、標的に打ってもカルガさんは避けたり振り落としたりするので余り意味は無い。
僕の攻撃の欠点は、攻撃の速度が遅くてある程度の実力がある相手には殆ど通用しない―――かな?
「〔斧術 【斬撃波〈斧〉】〕!」
おわっと!? カルガさんが横凪ぎに斧を振り、風の斬撃を飛ばしてくる。
ここに居たら死ぬ、という場所を探り当て、避ける。
僕の欠点は攻撃速度。―――つまりの所、相手がガードできない所から攻撃をすれば良い。
そして僕はその為の技を持っている。
「〔遠隔糸術 【遠隔糸生成】〕」
僕は(全力で後ろに跳んで逃げながら)手を前に出し、カルガさんの斧の内側に糸の球に潜り込ませる。
「―――ッ!ぐッ……!」
―――が、脊髄反射のような形で避けられてしまった。
は、反応速度が速い……
だけど少しの隙が出来ている。その隙を狙って―――
「―――〔遠隔糸術 【遠隔糸生成 《刺罠》】!」
「ぬぅ!?」
僕は予想着地地点に針を設置する。その攻撃が当たり、この試合が始まって初めて双方どちらか―――今回の場合はカルガさんのHPが減った。
観客席で歓声が巻き起こる。
……それでもカルガさんの残HPは4/3程度。今のを後、三回も繰り返さなければいけない。長期戦になりそう……
「―――ふっ」
「ハァ!」
カルガさんの攻撃に少しは目が慣れ、現在短槍で接近戦中。
……いや何で……?
僕、後方支援職。アーユーオーケー?……え?ダメ?な、なぜ……
「よっと!はぁっ!」
「ぐっ!」
よしっ!取りあえず二発目!近距離だと攻撃が当たりやすいから良いね!
カルガさんのHPも残り半分より下まで下がった。取り合えず、四回攻撃した後にHPが全損して無くて、あと攻撃が一回必要でしたパターンは無さそう。
それと、盾を生成しても、どうせ防御ごと破壊されるから作っていない。
今まで攻撃を避けられているのは、多分空間トレーニングのお陰だね!
因みに今は七割程度まで行けている。
……次狙うなら今かな?……―――
―――攻撃を避け反撃と見せかけてフェイントと見せかけてギリギリまで引き寄せフェイントをし『針』と思いきや逆手で槍を突く…!
……よし!遂にここまで来た!このまま行けば―――
「―――条件達成、この技で終わらせるァ!」
「―――っ!?」
「〔情熱の解放〕」
まるでこの時を待っていたかのような言葉を発しながら、カルガさんに僕の〔限界突破〕やエリスさんの〔速度超過〕の様なエフェクト―――オレンジ色のエフェクトが漂う。
「―――〔重斧術 【不可視の斬撃】〕!」
「―――」
カルガさんがそれを唱えた刹那―――
ぞわっとするような感覚。時間が延長されたような感覚。……これは第一回イベントの”街襲撃”で最後に戦ったボスダチョウの攻撃と同じ感覚だ。
それを瞬時に知覚、判断し、僕の体は既に反応していた。
―――この攻撃から逃れるには上に飛ぶ、と。
カルガさんが斧を振りかぶった瞬間。明らかに耐えられる量では無いダメージエフェクトがカルガさんに舞う。
遂に耐えきった。勝った。
そう思っていると、カルガさんが声を掛けてきた。
「なぜ……最後の一撃を避けられたんですか……?」
「ぞわっとする感覚がして体が反射的に……?」
僕はそう答える。
「そうですか……昔、君と同じ理由で私の攻撃を全て避けた、勝った人が居たんですよ……」
「なるほど……?」
「一言一句同じで……」
「凄い一致ですね……」
「そうですね……次は、負けません……!」
「……はい!」
そうして、第二回戦、Aブロックの激戦が幕を閉じた。
―――……あ……そ、そうじゃん!?まだ二戦目じゃん!?
―――そう思いながら。
◆世界観設定
『特殊職業』
レア職業とは似て非なる物。後天的に転職、派生出来る物。
他とは少し違う、特殊な力、武器を扱えるようになったりする。
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【あとがき】
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