第11節「始まりはいつも俺 第三幕」
いよいよ劇中劇が始まりました。終始劇中劇です。
演目「裸足のOL雪国へ」
ゴー(上司)「栄転ですよ、めでたいよ。来週から本社勤務決まったから、引っ越し準備をしましょう。」
めろん「ちょ、本社雪国ですよね。裸足のOLとしての私のアイデンティティが」
ゴー(上司)「これからはブーツの主任としてのご活躍をお祈り申し上げます。」
幕が下りた。
めろん「私はめろん。桐箱の中の赤く熟れた果実。
デパートの最上段──誰の手も届かず、見上げられるばかり。
湿り気の中で、誰にも触れられぬまま、静かに……朽ちていく──」
しっとりと寂し気なめろんのセリフ。俺はめろんの悲しみを見たような気がした。
幕が上がる。
…サウナ? 桐の張られた空間に、スチーム発生器のセット。
これは、クラさんの仕事だな。いい仕事をしてる。
タオル一枚のめろんが最上段で真っ赤になっている。多分やせ我慢だ。崩れるように倒れた。やっぱりそうなるのか。
ミク「聞いた?めろんさんがサウナで倒れたんだって」
給仕さん「頑張りすぎだよね、いろんな意味で」
幕が下りた。これで終わりか。短いがなんか良いものを見れた気がする。ゴーさんの思惑にはまるのはシャクではあるが。
プログラムによると次の演目は…
演目「世紀 末覇王伝 天地動乱篇」
あ、出番だ。ようやく俺の活躍を見せられる。
給仕さん「神よ、何故俺を見捨てた!俺はただ自由が欲しかっただけ…なのにね。」
神鋸「ソーです。推して挽きます」
ジブ「拙者も挽くでござる。」
俺 -(ナレーション)「奇妙な運命に誘われ出会った3人、彼らを待ち受けるのは」
って待て。俺が主人公じゃないのかよ。
鈴(地獄の王子)「余が地獄の王子 天の…(ゴーさんなんだっけ?あ、それな。)『煎餅』どもよ 余の拳の前にひれ伏すがよい。」
ジブ「『尖兵』などではないでござるよ。拙者共は自由の伝令」
ミクちゃん「『ソー』ドマスターの仇!」
給仕さん「天も地も関係ない!の。ただ覇王の『賞状』がほしい!のよ」
鈴(地獄の王子)「覇王の『称号』か、下らん。そんなもの欲しければくれてやる」
給仕さん「ありがとう。」
俺-(ナレーション)「こうして、覇王の座は受け継がれた。天地動乱篇 完」
違う。俺の「世紀 末覇王伝 天地動乱篇」は違うんだ。叫び続ける声を俺は押し殺した。
演題「カレーライスに花束を」
俺(子供)「バババ、ガキーン、ドーン。あ、壊れた。もう要らん。ゴミだね。」
トモダチ君(「サ」)「私ハ、トモダチ君、自律ロボット。デモ、イラナイコ…PPP」
クラ「こいつぁ、壊れてるな。鈴、修理するのデース」
鈴「イェス、ソーって、大工のおいら達で機械は…いや」
「大工正書」を捲る鈴。
鈴「三角と四角と十字…駄目だおいらじゃわかんね。」
トモダチ君(「サ」)「ばつハ罰、十字ハ罰デくろす。マルハぜろデ無価値。花丸ニスルトムゲンダイ。マルガ二ツPPP」
クラ「おっと、行ってしまったのデース 修理デキナーイ」
トモダチ君(「サ」)「PPP…十字架=花丸+茨。私ノ考エタさいきょうノ武器」
ジブ「今日はカレーライスでござる。」
トモダチ君(「サ」)「嗅覚せんさーニ反応アリ。オイシイヤツダ。食ラワセロ」
ゴー「何ですか、あのロボットは。私のカレーに薔薇の花束突っ込んで行きましたよ。」
第11節「始まりはいつも俺 第三幕」ここまで




