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手が離せなくて遅刻しても怒られるのは回避できるのか

次は体育の授業。少年は急いで着替えないといけないことを意識していた。

しかし道中でフロアにはチラシスタンドが置いてあって、思わず端に触れてしまい

それを倒してしまった。

少年は書類はすぐに集めてもとに戻そうとした。

間に合うか怖かったが、少年の見かけた友達が拾うのを手伝ってくれた。少なくとも現場を放置するのは悪手だ。あとで来る頃には「誰がやった」と大目玉を食らう。


ただチラシの他にも、意見箱のようなポストの蓋が取れて中身の手紙が漏れていた。中身を拾うも、他の先生に見つかり、先生は「なんだこれ」という感じて拾い始める。手紙を渡してもらうため生徒は先生に話しかけた。


「先生すいません。僕がポストを倒してしまって、今元に戻しております」

「あ〜そうなの。ところでこれ回収されてるのかね」

なんてぶっきらぼうなことを述べる。

「担当の人誰だか知らないけど謝っておきなよ」

「はい」


今はとてもそんな時間ないけど、とりあえずその場を流す。


しかし思いの外、時間を使いすぎた。着替え始めるころには残り1分しかない状態に。急いで着替えて現場に向かうも当然チャイムはなってしまった。


「おい、なんで遅れてきた」

案の定、少年は圧倒的に遅刻して参上する。

「すいません。道中チラシのケースを倒してしまい、もとに戻していたら遅れてしまいました」

少年は正直に言う


「はあ。だからって許されるわけじゃないな。遅れるなら先に連絡してもらわないと」

「先に報告するべきだったかもしれませんが、その場を離れるわけにもいかず、事後報告になってしまいすいません。ただ今回は先生への報告を優先すれば、自分がいない間に、チラシを見かけた先生や担当者に見つかってしまいます、どちらも叱責を回避する手立てがありませんでした…」


「怒られたくないからやってたの。それで良いと思ってるの?」

先生は揚げ足をとるように生徒を詰める

「もちろんです。怒られないために行動してます。そう教えられてきました。」

しかし生徒は自分の気持を正直に言った。


「誰がそんなこと言ったの?」

先生はさらに詰めようとする。

「言葉で言われた記憶はありませんが、身体で教わりました」


先生は少年が屁理屈を並べてふざけているようにも見えた。だが、体でと言われると、大人としては納得する部分もある。そこで先生は視点を変えて改めて少年に迫る。

「チラシを倒すのは論外だが、遅れるのは申し訳ないとか思わないのか」


「思います。でもどうすればよいのかわからなかったんです。

先生ならどうしますか?」

生徒は先生に逆質問をした。


すると先生は一本取られたと思い、大人の対応を教える。

「...そうだな。そもそも倒すなって言いたいところだが。

う〜ん」


先生は今の状況に一理あると思った。自分でも会議に遅れてしまう、なんてことはないわけじゃない。その時は、「すいません。〇〇で遅れました!」と言って参加するのが常だ。

大人の常識で語るなら、まずは謝罪、次にいいわけをしろ。だ。

先に言い訳をしたら相手からの印象が悪いからだ。

逆にそもそも遅れるなとか、事前連絡をしろとかは、必ずしも徹底されるわけじゃない。もちろんできるだけやるべき「努力義務」ではあるのだが。。


「先に行く友達に遅れることを伝えればよかったんじゃない?」

一人の生徒が助言すると、みんな「おー」といった。

「たしかにそうだ。そのとおりだ。良いこと言うじゃないか」

先生は必死に生徒の発言をよいしょする。確かにそうではあると納得はした。


毎回都合よくクラスメイトが近くにいてに伝達できるわけじゃないだろと反論したくもなるが、そもそも自分はここまで考えてなかったからだ。


誰かが考える最善策を思いつかなかったら、自分は責を負わなきゃいけない。そんな経験を積みながら、少しずつ人の怒りを買う行動を回避する能力を得ていくのだろうか。

それはきっと大人になるまで、あるいは大人になっても続くのだろう。

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