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【2025年7月30日完結!】天界の司書、転生したら最強でした!  作者: 愛猫私


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第75話

第75話 旅路3


 「茶々丸。あと少しだよ。このパーツとこのパーツを作ってもらえるかな?」

 「ワン!」

 「これをはめ込んだら完成だ。リンの新しい武器が完成したよ。」

 「おぉ!これは!」

 「これは『電磁砲槌(レイルガンハンマ)』だよ。シリンダーが槌の役割を果たしていて、この突起が相手に触れて押し込まれると、シリンダーに装填されている杭が飛び出す仕組みになってるんだ。」

 「打撃と6本の刺突攻撃ですね。強力ですね。」

 「うん。大抵のものは破壊できるし貫けるはず。もう一つの機能は、形質変化した電気エネルギーをチャージした状態でこの柄に付いたトリガーを引くことで、撃鉄が反応してシリンダーに仕込まれている杭を全弾射出することが出来る。これは、ここぞってときに使う必殺技だね。」

 「なるほど。ハンマーと聞き、打撃中心かと思っていましたが、杭を打ち込むという別の戦法もあるんですね。」

 「試しに使ってみたいよね。なんかいい練習台ないかな?」

 「それについてなのですが、聖王国アルムストラについてからお話ししようと思っていたのですが、冒険者ギルドで冒険者登録をしようかと思いまして。」

 「冒険者?」

 「はい。聖王国アルムストラでの活動資金の調達にもなると思いまして、私は冒険者ギルドに冒険者として登録し、金銭を調達しようかと考えておりました。」

 「そうか。聖王国じゃ、宿屋に滞在することになるだろうし、この人数ならそれなりにお金もかかるってことだよね。」

 「はい。ですので、私もですが、紅についても冒険者登録をすることで、今回作って頂いた武器の扱いを習得することと金銭を稼ぐことの両方ができると考えております。」

 「リンと紅の二人か。いいと思うよ。リンの提案を受け入れよう。」

 「ありがとうございます。」

 「フィル様良いでありんすか?リンはともかく紅は心配なので、わっちも冒険者登録してもよろしいでありんすか?」

 「翠!うちは大丈夫だぞぉ!」

 「翠まで冒険者で活動されちゃうと魔女探しが難しくなっちゃうなぁ。」

 「ほら!みたことかぁ!翠は魔女探しに行けばいい!」

 「リン。任せて大丈夫でありんすか?」

 「はい。魔力のコントロールは日々精進してもらうとして、何かあっても私一人で対処できます。」

 「ムキー!邪魔者扱いして!アルムストラに着くまでに魔力コントロールを完璧にしてみせる!」

 「紅なら大丈夫だよ。僕は何にも心配してないから。」

 「フィルはやっぱり優しいのだぁ。」


―――――

 リンと紅の武器が出来上がったこともあり、山道前で滞在していた一行は、山道に入っていった。

 スカイハンターが飛び回っているが、強者ということを理解しているようで、近づいてくることはない。がたがたと荷車が揺れて心地は良くないが、茶々丸が振動の少ない道を選んで歩いてくれているおかげで、これでも揺れは少ない方である。

 

 時折、紅がスカイハンター目掛け火の玉を飛ばして撃ち落としていた。

 これも魔力コントロールの練習の一環なのであろうが、業火に焼かれ落ちていくスカイハンターがかわいそうになってくる。

 道中、横穴を見つけた時は、そこで野営した。

 

 横穴で野営していると、アルムストラから来た商人の荷馬車と出会った。

 

 「こりゃあ、先客がいたんだねぇ。」

 「僕たちは構いませんよ。」

 「そうかい。ありがとうよ。ところで、あんたたちは旅人かい?良ければ旅に役立つ代物があるから見ていってくれないかい?」

 「それってアルムストラの代物ですか?」

 「なんだ?アルムストラに興味があるのかい?」

 「えぇ。アルムストラにいる魔女を探してまして。」

 「魔女かぁ。昔はアルムストラと言えば魔女の天下だったんだがねぇ。先代の聖王が、魔をつかさどる者として魔女狩りをしたんだよ。それで、魔女の天下だったのが、聖王に代わって聖なる国アルムストラになったんだ。今じゃ魔女なんてめっきり聞きもしない話さ。」

 「全員いなくなったんですか?」

 「いやいや。魔女だからなぁ。全員殺されたわけじゃない。逃げて身を隠しているやつもいるだろう。けど、堂々と街中を歩けるような魔女はいないだろう。どこかでひっそりと暮らしているんじゃないか?」

 「そうですか。」

 「魔女が気になるなら、アルムストラの闇市に行くといいぞ。何せ、怪しい素材が山ほど売りに出されているからな。未だに冒険者ギルドは魔女に素材を売って儲けているなんて噂があるくらいだ。魔物の素材は何かと売れるからな。魔女がいてもおかしくないだろ。」

 「なるほど。貴重な情報ありがとうございます。お礼とはいかないかもしれないですけど、これを。」

 

 フィルは、小さな赤い小石を渡した。

 商人はルーペを取り出し、注意深く観察している。

 「これは・・・。紅魔石じゃないか!しかもこんなきれいなもの!いいのか?」

 「これも何かの縁ですし、僕たちからしたらかなり重要な情報だったので、捜索の手掛かりになりそうです。こちらこそありがとうございます。」

 「いやいや。礼には及ばんよ。これだけのものをもらえたのだから幸運なのは私の方だ。」

 

 アルムストラに着くまでに貴重な話が出来たフィルたちは、その後も商人からアルムストラの情報を聞いた。

 あと数日の距離であること。宿屋ならあそこがいいなど有益な情報が盛りだくさんだった。

 それらをリンはメモして、聖王国アルムストラ入りに備えた。

 

そして、山道を抜け、整備された街道を進んだ先に見えたのが、聖王国アルムストラだった。

王国全体が城壁に囲まれていて、四方に入口となる巨大な門があった。

門番が荷車の検査をしている。沢山の荷車や人が出入りしている門をフィルたち一行もくぐった。

茶々丸は一瞬魔物扱いされそうになったが、フィルがアドレニスの第四王子ということを証明することが出来たので、事なきを得た。


 がやがやとにぎやかな門を潜り抜けると、その巨大な街の全貌が見ることが出来た。

 フィルたち一行はこうして聖王国アルムストラに入国することが出来た。



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