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超短編集  作者: 正丸八光


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神バイト

 連休にパチンコで大負け・・バイトしなきゃ生活出来なくなり、ネットで見つけた「誰でも簡単!時給3千円!」の広告に飛び付き、待ち合わせをしてるのだが、だんだん不安になってきた。闇バイトかも・・そう思っていたら、赤いスーツを着た美女が目の前に現れた。「あなたがアルバイトに応募した人ね!」「は、はい・・」俺が美人の後に付いて案内された場所は、雑居ビルの地下でテーブルと椅子が2つ並んだ部屋だった・・「椅子に座ってボタンを押すだけの仕事だから・・」「はぁ・・」椅子に腰掛けると「白と黒どっちがいい?」と聞かれ、どっちでもと応えると「白は時給3千円で黒が5千円よ。どっちにする?」「ごっ5千・・黒でお願いします」目の前に置かれた黒いボタンをチョンチョンと試しに押して見せると美女は「そんな感じでいいわ!」と言って隣の椅子に座って白いボタンを連打する。俺はそのまま適当にボタンを押し続け、隣の美女もボタンを連打した。これで時給5千円なんてマジかよ!最高じゃん!俺は8時間ボタンを押しまくった!「今日はありがとう!」お礼と共に受け取った4万円に思わず「明日も来ていいですか?」「いいわよ!」俺は次の日も、その次の日も美女の隣で鼻歌を歌いリズミカルにボタンを押して、ふと思った・・なぜボタンを押すだけで時給5千円も貰えるんだ・・「あの・・このボタン押して何か意味あるんですか?」と聞いてみた・・「あなたが黒いボタンを押す(たび)に1人死ぬの」「えっ!」俺の手がピタリと止まる・・「ボタンを押すと死ぬって、人がですか?」「そうよ!でも安心して、白いボタンを押すと産まれるから」「そ、そんな・・」俺の頭が混乱しているのを見た美女は「毎日、大勢の人が死ぬけど、それ以上に新たな命を産む、それをここでやってるの」「そんな神がかりな事をこんな地下で・・」「私、一応神なんで、命を断って与える女神なの。最近、腱鞘炎になっちゃったからバイトを雇ってるの。さっ、分かったなら、ジャンジャン押しちゃって!」「えっ・・いや、もう押せない・・」


(終わり)






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