14 Always put your best foot forward
「なぜですか、私はまだやれますわ」
「よく、見ろナツレ~イダテル」
そう言って、試験管は結界を解除し、、ただ拳をナツレの頬に触れただけのユニスの体を軽く突いた。
すると、ユニスの体はなんの抵抗もなく、地面へと激突した。
これが、ナツレの会心のカウンターではない事はナツレのポカンと開けた口から、察せられた。
ユニスの口から漏れた、
「グゴー」
という品のないいびきが答えとなった。
試験官は足で軽く、ユニスを突きながら、
「見ての通り、ユニス~イダテルは気を失っている、よって、試験は終了だ」
「ふざけないでくださいまし」
ナツレはそんな言葉に反応せず、熟睡しているユニスの胸倉を掴もうとするが、
ガシッと
胸元へ届く前にその腕は別の腕そう兄であるエザトリーによって阻まれた。
エザトリーは後方に氷結の残滓をキラキラと光らせながら、
「おい、試験は終了したはずでしょう、でしたら、その薄汚い手で私の妹に触れるな」
ギリギリと腕に力が加わっていく、ナツレはあまりの痛みに声も出せない。
「エザトリー殿、その辺りで、それ以上はいけません」
そんな試験官の制止がなければ、エザトリーは腕を潰さんばかりであったほどだ。
「、、、、、、」
無言でエザトリーは乱暴にナツレの腕を払った。
「ナツレ、繰り返すが次の者の順番だ、速く後方に下がれ、」
ナツレは不服そうにしながらも、痛む右腕を抑えながら一礼し、下がっていった。
「それでは、私は妹を医務室へと運ぶが問題はないでしょうね」
「はい、どうぞ、ですが、」
キリっと目を細くして
「今回は先にナツレに非があったため、見逃しましたが、ご自分の立場もお考えください、エザトリー~イダテル殿」
エザトリーはそれには答えず、一礼して、ユニスを抱えて医務室へ向かった。
ガバッとユニスは跳び起きた。
「おっ起きたか」
ユニスが視線を向けた先にはデランドの姿が、
「ここは学校の医務室だ聞いて驚け、ご主人様は試験で倒れてから一週間は寝ていたんだぜ、医者に見せたら、原因は過労だってよ、それとご主人様のお兄様は騎士団長から勝手に会場へ立ち入った事をおこられて、
「あの、」
ペラペラとしゃべり続けるデランドの言葉が耳から素通りしながら、ユニスは質問した。
「私は失格になったのでしょうか」
その問いにデランドはスイっと太陽が隠れるように無表情になった。
「そうだな、後回しにはできないか、単刀直入に言いますね、」
溜めて、溜めて、ユニスの唾を飲み込む音が響く程の沈黙が続き、デランドの口が動く。
「合格ですよ、いや俺も頑張ったかいがあったぜ、なんせ
「嘘です、だって、私は戦闘中に気を失って、無防備な姿を晒して、、、」
「俺も後から聞いたのですが、あの試験の合格条件は勝ち負けじゃない、伸びしろがどれぐらいあるか、結果、どべではあったが、ご主人様は合格と相成ったわけだぜ」
その答えを聞いても、ユニスの不可解な感情はなくならなかった。
「初めての練習でない戦闘で私は思いました足りない物が多すぎるとこんな私に最強になることができるかって、」
ユニスの心に無力感が広がっていく。
「知っているか、俺やご主人様が使っている剣武は魔法とは違って、弱者が強者を倒すための技術だ、だから、安心してくれ、どべのお前こそ強者を打ち倒す弱者になれる、そういった奴からいつだって想定外、大番狂わせ、バランスブレイカーが生まれるんだぜ」
「そう、言われても、、、」
「ご主人様が得意な言葉があるだろう、自分は信じられなくとも兄の言葉なら信じられる。俺の言葉は信じられないのか」
「くっ」
「もう一度言う、この凝り固まった調和を壊す力はご主人様にはある、それに同じ技術を使っているんだ、お前の到達点には最強の俺がいる、だから、時間の問題だぜ」
「フハハハハハ」
ユニスは不意におかしくなって笑った、実感はなかったデランドが自分が弱いと言った事も弱者が強者を倒すと言った事もそれがユニス自身に伸びしろがあるという事すべてにしかし、
「そうですね、私自身の事は今だに信じられませんが私が信じる師匠がこれだけ言ってくれるです、力が湧いてきました。」
とユニスはデランドへ手を差し伸べた。
「それでは、全力で学び取るので、最強まで付き合ってくださいね」
「病める時も老いる時もな」
と二人はきつく握手したのだった。
これで一旦終了です。これ以上読みたい方、ハイブリッドを書けよという方はブックマーク、評価の程よろしくお願いいたします。




