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国防論の違い

 流人を手本とし、クロウも湯船討論に挑んだ結果、

最初は驚きと警戒から見えていた壁も対話を通じいて解消されていった。


 「市民の中にも敵は居ますから」

この言葉は自衛官達にも複雑な影響を与えた!


 軍隊を毛嫌う民風な為、多少は耐える覚悟が出来ているが、

一部の地域では反対運動と言うより妨害運動に近い抗議運動も起きており、

空自のパイロットへ向けて目潰し行為を行ったり、通行の妨害をしたりと、

忍耐が職務と上官達に説かれるが、納得出来ない事もあった。


 「他国からの工作員や諜報員が扇動したり、

 活動を活発化させているんですよ(笑)」


 クロウの言葉に自衛官達の脳裏に浮かぶ敵国、

分かっていてもどうしようもないジレンマもある事い苦虫を噛み潰していた。


「どうやって!  どうやって見分ければよいのでしょうか?」


 「難しいですね、我々の様に見た目が違えば認識も簡単でしょうけど、

 彼等は見た目は変わりませんからねあなた達とね(笑)」


 それでも志と文化は違うとクロウが説く、

自己犠牲を承知で任務に当たる日◯人と保身しか考えない敵国人、


 多少環境や状況が違っても、物や悪戯はしても、空き家に火を放ったり、

死人が出ている状況で嘲け笑う国民はいないだろう、

 もしその様な国民が居たとしたら、

それは汚点として排除、駆除対象に入るのではないかと説く。


 「子供だから更生出来る? 子供の内に良し悪しを学ぶ必要があるでしょう?

 それを放棄して私欲に盛んじてどうするんですか?」


「我々には・・・」

「そうだ、憲法で定められている、違法行為は出来ない!」

 「する必要はないですよ、あなた達はこの地を護る人達なんですから、

 汚れ仕事は我々の様な傭兵で十分です。」


 理不尽な訴えを全国各地で多々発生している、

その中でもこの沖縄は理解出来ない事が多い。


 米軍の撤退、これで周辺住民の治安は確保されただろう、

然し一方では、撤退に不満言い、保証を要求して訴えを起こす。


 強姦発生率が全国1位の沖縄で、県民同士の強姦は黙認し、

兵士の犯罪には暴動を起こす県民性に自衛官達も困惑していた。


 「緊急時には救助を要請して、普段は邪魔者扱いしている、

 兵隊だって人間なんですよ? あなた達だって国民なんですよ!」


 離島で病人が出れば、搬送に自衛隊のヘリが要請される、

台風の多いこの地域、強風で飛行出来ない時もある、

その時の島民からの罵声には隊員も悔しい思いをしていた。


 毎年多額の予算を要求している、

全国で一人当たりの交付金なら飛び抜けて多額だろう。

 それを当然と思っている県民と、更に増額を要求してくる知事達、

毎年多額の税金がどこに使われているのか?


 一向に増えない医療設備、一向に回復しない治安や経済、

それでも気にせず反対運動だけを続けている県民を、

クロウは必要としないと判断した。


「「!!」」

 「慌てないでください、

 抑々この島は、地理学的にどう言う場所でしょうか?」


「そりゃぁ、国にとって最重要な場所の一つだけど」

「だからって県民を犠牲にしてよいとは考えない!」

 「でも、交戦すればここが戦場になる事は、理解してますよね?」


「当然だ!」

「全員!、最前線となると自覚している!」

 「そうでしょうか? 少なくとも県民は理解していないですよね?」

「「・・・」」


 戦火に覆われる場所に、テーマパークやリゾート施設を要求する知事、

県民の要望と言うが、それだったらこの地の重要度を理解していないと言う。


 「先の大戦で、空襲と砲撃を受け焼け野原になり、

 連合軍に上陸された筈なんですよね?」


「そ、そうだ・・・」

 

 「その悲惨さを後世に語り繋ごうって言う割には、

 現実の危機管理が無いですよね?」


 国民全体に言える事だけど、周辺国が自国を名指しで敵国と批判している

それなのに全く危機感を感じないどころか、政治資金を援助して貰ったり、

企業誘致で優遇したり、お花畑もここまで来ると笑えないとクロウが言う。


「それでも・・・」

「そうだ!」

 「でもね、その正義感は、次の政権ではどうなんでしょうかね?」

「次の?」

 「無能の◯◯から新しい◯◯に総理が変わりましたが、

 我々の行動も原因でもありますが、反対運動が活発ですよね?」


「それは・・・当然だろう、国民が撃ち殺されたんだから!

「そうだ!」

 「でも、排除した身柄を確認すれば、C国の工作員って分かりますよね?

 その辺の情報も一緒に引き渡しましたから?」


 数十人の中には地元住民(ないつうしゃ)も居たが、

C国工作員や諜報員との繋がりも身分も調べ尽くして亡骸と一緒に引き渡した。


 「それなのに、批判が敵国ではなく

 政府に向けられるのはどうしてでしょうかね?」


「「・・・」」

 

 「中央の中にも敵国と通じている議員達が少なくないって事ですかね(笑)」


「「「(汗)」」」

 

 政府批判で政権を揺るがし国家を転覆、もしくは政権交代を狙い、

敵国と通じて協力している政党があると指摘する、

 そして、その政党が政権を獲った時、

敵国に売り渡す政策が自分達の正義感に適応出来るのか? 

 クロウの言葉は重く伸し掛かる、

トップの命令なら従わなければ規律が保たれない!

 然し、その命令は本当にこの国の為なのか? 分からなくなっていた。


 「複雑に考える必要はないですよ(笑)

 自分が信じる事に従えばいいでしょう(笑)」


「それが、可能なら・・・苦労はないが、」

「我々に決定権は・・・」

 「あるでしょう? 命令より大切な仲間が居るのですから、

 仲間を護る事があなた方の任務であり自衛権でしょう?」


「自衛権かぁ」

「・・・」


 「そろそろ、歓迎会の準備が整った頃でしょう(笑)」


 クロウは湯船を出て着替え室へ去っていった・・・



 そのあと隊員達で少し時間が過ぎた、

どの様な結果を全員が納得したかは分からないが、

隊員達の表情が凛々しく見えたのは偶然じゃない・・・


 歓迎会としてバーベキューパーティーを開催した!

勿論アルコールも許可されているがその前に挨拶があった!


 「フリーダム代表代理のクロウだ!

 100名もの大所帯で参加して来るから、

 2〜3人はゴミが混ざって居ると思っていたが全員優秀とは上々である。」


 「どの様に聞いてここへ来ているか我々は知らん!

 ただ我々が立場的に上官である事は肝に命じておく様に」


 「勿論、死ね!と命令も出来るが、これだけ優秀だと勿体ない、

 だから鍛え直してやる!

 1ヶ月でお前達100名を使える隊員にしてやるから覚悟しておく様に!」


 「最後に、次に美味い飯に有り付けるのは1ヶ月後の送別会だ!

 たっぷり喰って! 耐え抜いて来い! 以上だ!」


「「「おぉ♪」」」

 フリーダムから歓声が上がる、

その異様な空気に飲み込まれて棒立ちだった自衛官達!

「我々も負けるな! おぉお!」

 一人、渋谷だけがフリーダムの声援に応える様に雄叫びを上げていた!


「「「「「お前達も続け! おぉお〜!」」」」」

「「「「「おぉ〜!」」」」」


 ビールを片手に持ちながら互いの交流が始まる、

「どうだ! 今日の肉は美味いだろ!」

「これは米国産なのか?」

「いや! 日◯産だ!(笑)」


 綺麗なサシが入った牛肉の塊が幾つも用意され、

分厚く切り分け編みで焼いているが、脂が多く大変そうだった。


「いつもこんないい肉を喰っているのか?」

「いつもはアンガスだ! アンガスも美味いぞ!」

「今日は、差し入れが入ったからな!(笑)」


「「差し入れ・・・」」


 誰からの差し入れなのか分からないが、

自分達を歓迎しての物だと傭兵達が説明して笑っていた♪


「クロウ司令官!」

 「なんだね渋谷くん? それとも渋谷1佐と呼ぶべきか?」

「どちらでも構いません。」

 「それで?」


「1ヶ月で・・・使い物になりますか?」

 「どうだろうな? 彼等次第だろうな(笑)」

「死人も厭わず、 宜しくお願いします。」

 「死人は出したくないだろう、 我々もそれは望まんよ(笑)」


 流人が選んだ国の軍隊、米国以上にひ弱で戦闘には向かない、

それでも、湯上りの彼等は覚悟が違う、一人とて失っては流人が悲しむ

そして流人様の為にも、この者達を個々で判断出来る戦士に育てる・・・


 流人が認めた国、そして目の前にいる自衛官達は全員、いい人だ!

分かり合える共通認識が育める相手だと思えるからこそ、

フリーダムは自分達の意志を込めて訓練を受け持つと誓っていた・・・。


明日も0時に更新いたします。

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