最終日『終幕』
参加者一覧
穴吹 和歌恵【死亡(4日目夜)】
稲崎 太一【死亡(初日夜)】
鏡 桜花
川淵 進【死亡(4日目夕処刑)】
小石川 未来
軸丸 夏希【死亡(3日目夜)】
島野 黎【死亡(初日夜)】
高浦 大祐
三溝 凛【死亡(2日目夕処刑)】
湯村 哲西【死亡(3日目夕処刑)】
鷲頭 朗真【死亡(3日目夜)】
瀬上 咲【死亡(3日目夜)】
宮田 涼
役職一覧(人狼サイド―勝利条件は村人サイドの全滅)
人狼(3人)―毎夜同室相手の一人を襲うことができる。襲われた相手は死ぬ。パスは一回のみ。人狼同士は誰が人狼か把握しており、また常に念波によってお互い意思疎通が可能。
狂人(3人)―夜中自殺を行うことで同室相手に疑いをかけることができる
役職一覧(村人サイド―勝利条件は人狼の全滅)
祈祷師(1人)―2日目以降人狼に襲われた場合、聖水で反撃することにより人狼を殺せる。1回限り有効
牧師(2人)―人狼に襲われた場合、お守りを使って防御することができる。1人1回限り
村人(4人)―能力はなし
時間経過について
昼(議論タイム)→夕方(投票タイム。公開投票。1番票を集めた人を処刑)
→夜(ゲームマスターがランダムに選んだ人が夜一緒に過ごす同室相手を選択できる。奇数人数の場合のみ最後の部屋は3人。能力の行使は基本ここのみ)
「――ウウアアアアアア!!! 熱い! 死ぬ! 死ぬ!」
そこには、無残にも叫ぶ高浦の姿があった。
「あぁ、お前はそこで死ぬんだよ。這いつくばってな」
「ウオオオオオアアアアア! どういうことだ! 何故貴様は――聖水をまだ持っているんだ!!」
「三日目の夜、オレは咲をカウンターしたと言ったが、アレは嘘だ。
本当は、咲は――自ら望んで餓死をした」
高浦はこの言葉に信じられないといった表情をした
「お前には分からないだろうよ。人狼に心も体も乗っ取られたやつには……」
「クソッタレが! 俺は勝っていたんだ! こんなのは認めない!」
「いいや、お前の負けだ。いい加減楽になれ」
オレはそういって、残りの聖水を全てぶちまけた。
「ウオアアアアアアアアアアア! 貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様アアァァ!!! ウッア!! グッ……」
それは高浦の断末魔となった。
「……人は死ぬときって案外あっけないもんだよなぁ……いや、こいつの場合もはや人ではなかったのかな」
――ただ今を持ちまして、人狼は全ていなくなりました。村側サイドの勝利です! 皆さん家の外に出てください――
そしてその突然の声に驚きながらも外へ出てみると、小石川さんが待っていた。
「勝ったようだな。いやしかし、本当に勝てるとは思わなかったよ。ククッ」
「……全ては咲のおかげです。そういえば鏡さんは……」
「気がついたときにはいなくなってたよ。きっともう……」
やはり分かってはいたが負けた方は……いや、オレが同情する権利などない。今はとりあえず生き延びたことに感謝をしよう。
「おーい!!」
すると、広場のほうから声が聞こえた。
「あ、川淵さんに穴吹さん、軸丸さんに三溝さん、それと稲崎さんじゃないですか」
そこにいたのは試合中に死んだはずの村人サイドの人々だった。
「ああ、気がつけば広場にいてね、少しして君たちが勝ったのだと分かったよ。本当によくやってくれた。ありがとう」
「いえ、僕は何もしてません。それに結局生き残ったのはたったの7人ですか……」
「……そうだったな。村も結局壊滅状態のままで……」
「……あの! オレたちで墓を作りませんか」
突然ひらめいた提案、気まぐれの類かもしれないが、そのときのオレにはそれが必要だと感じていた。
「そうだな、村全員の墓を作るか。と言っても、簡単なのしかできそうにないがな」
結果的には全員賛成で、簡易的なお墓を作ることになった。
その後は、警察等もやってきて、事情聴取で数日拘束されたこともあった。変なゲームに巻き込まれたといったら信じてもらえないどころか、オレ達が集団殺人鬼として扱われることを危惧し、人食い熊がやってきたと口裏を合わせたが、警察も1週間近くこの村に入れなくなっていたことを疑問視してらしい。
結局、警察も今回のことは処理しきれず、謎に包まれた事故として扱われることになった。
オレはその後、県外に住んでいる親戚のおじさんが身元引受人になってくれて、そのままおじさんの家に引き取られた。他の人も村を離れるほかになかったようだ。
川淵さんなんかは、村が大好きだったようで、離れることに一番渋っていたりした。しかし、やはり、再生不可能という現状を鑑みて、諦めたようだが。
小石川さんは気がつけばいなくなっていて、未だに消息不明だ。彼女は一体何者だったんだろうか……
――そして事件から一年後
「お久しぶりですね、あなたもお墓参りですか」
「ククッ、久しぶり、ま、ここには色々と思い入れが強いからね」
久々に訪れた村には、小石川さんの姿があった。
「今から咲のお墓参りにいくんですが、良かったらどうですか」
「それじゃあ私も行こうかな。彼女には結果的に命を救われたわけだし」
そういって、二人で川のほとりにまで向かった。
「ここが彼女のお墓なのかい?」
そういって彼女は近くに咲いている一輪の花を見た。
「ええ、人狼だった人たちのお墓を作ることは反対している人もいましたし、目立たない場所に、ね」
「なるほど。川の瀬に咲く花ね。彼女の名前から取っているわけか」
「そうです。ってあれ、小石川さんちゃんと名前覚えてるじゃないですか」
確か、小石川さんはほとんどの人の名前を覚えてなかったはずじゃ……
「ククッ、なんのことだっけ」
本当に、この人だけは謎だ。
「ところで、坊やはこれからどうするだい?」
「……子ども扱いはやめてください」
この人絶対わざとだ。オレが嫌がることまで覚えてるなんて……
「ククッ、悪かった。で、これから何かするつもりなんだろ?」
「え? どうして何かするつもりだなんて思うんです?」
「いや、目に映ってるよ。やってやるーって闘志がね。やっぱり子どもだ。ククッ」
……この人には敵いそうにないな。
「オレね、バカらしいと思われるかもしれないですけど、この事件の首謀者をとっちめてやりたいんですよ。
もちろん、犯人なんて分からないし、そもそも犯人がいるのかすら分からないで分からないことだらけですけど、そうしないとオレの気が晴れないんですよね」
「ククッ、アンタは素直でいいね。気に入ったよ。私もそれに手伝ってやろうか」
む……また子ども扱いされた気がするが……
「いいんですか? 小石川さんが手伝ってくれるなら百人力です!」
「そうかい、私は1年前は毛ほども役に立たなかったけど、その言葉はどこから来るんだい」
「小石川さんは常に何か見抜いている感じがありましたから。実は人狼の正体も最初から分かっていたんじゃないですか?」
「それは買い被りすぎだよ坊や。私にだって分からないことだらけさ」
小石川さんはそう言ったが、小石川さんが手伝ってくれるなら、いける。オレには何故か確証はないが、そんな気がしていた。
咲のためにも、オレのためにも、この復讐だけは必ず成功させてみせる……!
――――この時、遠く遠く離れたこの地で、彼らを見守っている姿があった
「こいつらが俺らを倒すって? 寝言は寝て言えケケケ」
Fin
役職振り分け
・人狼サイド
【人狼】―瀬川 咲、高浦 大輔、湯村 哲西
【狂人】―鏡 桜花、鷲頭 郎真、島野 黎
・村人サイド
【祈祷師】―宮田 涼
【牧師】―小石川 未来、川淵 進
【村人】穴吹 和歌恵、三溝 凛、軸丸 夏樹、稲崎 太一
決着までの流れ
初日 夜
1「稲崎【死亡】―湯村【襲撃】」 2「小石川―宮田(主人公)」
3「鷲頭―瀬川【パス】」 4「高浦【パス】―鏡【狂人CO】」
5「三溝―島野【死亡(自殺)】」 6「軸丸―川淵―穴吹」
2日目 昼
湯村「村人CO(=カミングアウト、宣言のこと)」
三溝「村人CO→祈祷師CO→村人CO」
夕
「三溝」(七票)【死亡】……穴吹、軸丸、瀬川、高浦、宮田、湯村、鷲頭
「湯村」(四票) ……鏡、川淵、小石川、三溝
夜
1「穴吹―小石川」 2「鷲頭―鏡」
3「高浦―瀬川【狼同室】」 4「宮田―軸丸」 5「湯村【襲撃】―川淵【防御】」
3日目 昼
川淵「牧師CO。湯村防御宣言」
湯村「川淵は嘘を言っている」
夕
「湯村」(八票)【死亡】……穴吹、鏡、川淵、小石川、軸丸、瀬川、高浦、宮田
「川淵」(二票) ……湯村、鷲頭
夜
1「宮田―瀬川【死亡(餓死)】」 2「軸丸【死亡】―高浦【襲撃】」
3「鏡―穴吹」 4「小石川―川淵―鷲頭【死亡(自殺)】」
4日目昼
宮田「祈祷師CO」→鏡「対抗祈祷師CO」
高浦「未防御牧師CO」
川淵「牧師CO変わらず」
小石川「狂人CO」
夕
「川淵」(三票)【死亡】……穴吹、鏡、高浦
「高浦」(二票) ……小石川、宮田
「小石川」(一票) ……川淵
夜
1「鏡―宮田」 2「高浦【襲撃】―小石川―穴吹【死亡】」
5日目 昼
高浦「人狼CO」
小石川「牧師CO」
夕
高浦(二票)……小石川、宮田
宮田(二票)……鏡、高浦
決選投票
「高浦」(一票)……小石川
「宮田」(一票)……鏡
決選投票も同数の為、処刑なし
夜
1「高浦【死亡(襲撃)】―宮田【反撃】」 2「小石川―鏡」
人狼全滅の為、村人サイドの勝利。
というわけで最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。
この物語で使われているルールはとあるMMORPG内で実際に行われていた人狼ゲームのルールを基にしています。
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