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01.プロローグ 折谷葉月の独白
私は窓際に座る彼――鳴沢遼介を盗み見る。
彼は真剣な眼差しで黒板を見つめていた。
成績優秀、スポーツ万能。
友だちは容姿は並と言うけれど、私にとってはどんなアイドルよりもかっこいい。
彼が白馬に乗ってやってきたのなら嬉しさで私は昇天してしまうかもしれない。
はぁ、と無意識にため息がこぼれてきてしまう。
理由は簡単。
私と彼の関係だ。
私と彼はいわゆる幼馴染。
物心ついた頃には私の隣には彼が居て、彼の隣には私が居た。
いくら私が彼を想っても彼は私を想ってくれない。
甘い言葉を私にかけてくれたことも無い。
それでもいつかは通じると信じて私は今日も彼に対する想いを募らせるのだった。




