第2次地中海海戦2
イタリア王国のシチリア島とサルディーニャ島間の海域で、哨戒活動を行っていた大日本帝国海軍第4機動艦隊は角田覚治中将を司令長官にし正規空母赤城級2隻と正規空母蒼龍級2隻を主力にしていた。アメリカ合衆国海軍は再編した第8艦隊から第34任務部隊を地中海に派遣した。第34任務部隊には両洋艦隊法で竣工した正規空母エセックス4隻と、軽空母インディペンデンス級4隻を主力にする大艦隊となっていた。それを対空兵装増設工事を終えた戦艦を中心に護衛艦艇が大量に配備されていた。大日本帝国海軍と違い戦艦を保有している事から、存在感として一際目を引くのは超弩級戦艦ユナイテッドステーツ級2番艦アメリカであった。
その他に超弩級戦艦モンタナ級モンタナ・オハイオ、超弩級戦艦アイオワ級ミズーリ・ウィスコンシンが配備されていた。第34任務部隊司令官はヘンリーケントヒューイット中将が務めており、今回の地中海での制海権奪取を至上命題として意気込んでいた。空母艦載機は大量生産体制が整い全空母に行き渡る事になっており、艦上戦闘機はF6FヘルキャットとF4Uコルセア、艦上攻撃機TBFアヴェンジャー、艦上爆撃機SB2Cヘルダイヴァーとなっていた。航空機に関しては大日本帝国に大きく引き離されていたが、アメリカ合衆国はその基礎技術力の高さをみせ更なる新型機開発を行っていた。それは2種類開発を行っており1つは双発艦上戦闘機として開発中の『XF7F-1』であり、もう1つは従来通り単発艦上戦闘機の『F8F-1』であった。奇しくも大日本帝国も同じ様に双発艦上戦闘機と陣風艦上戦闘機の発展改良型の2種類を開発中であり、お互いに実用化を急いでいた。
機体は大量生産により順調に配備され、パイロットの訓練も厳しく行っておりヒューイット司令官は大日本帝国海軍に何とか対抗出来ると、判断していた。そんな中で地中海を東進していた第34任務部隊だが、ヒューイット司令官は全空母に即時出撃が可能な態勢を命令していた。
その状況は危険を伴う行為だったが、大日本帝国海軍連合艦隊の機動艦隊を過小評価せずに、強敵だと捉えるヒューイット司令官は『見敵必戦』の信念で、戦いに臨んでいた。
偶然にも今回の海戦の日米両指揮官が共に『見敵必戦』を信念にしており、それは壮絶なる海戦に発展する事になったのである。




