合同会議4
1943年3月1日、大日本帝国帝都東京首相官邸で陸海軍合同戦闘評価会議が開催された。会議はいつも通り山本総理兼海相の挨拶から始まった。何と言ってもシベリア解放作戦大成功を、山本総理兼海相は称賛した。軍事作戦としても成功し補給兵站線維持確の為の、シベリア鉄道確保により民心掌握にも役立っているのが大きいと、山本総理兼海相は語った。
これによりゲリラ活動は想定を遥かに下回り皆無とも呼べる状態だった。これはソ連崩壊による内戦状態の土地に外国勢力が侵入したとはいえ、組織だった行動が一切行えていない証拠でもあった。これにより大日本帝国は広大なシベリア地方をその勢力下に入れる事に成功していた。
山本総理兼海相の挨拶が終わると、小澤連合艦隊司令長官がシベリア解放作戦の説明を始めた。小澤連合艦隊司令長官は、今回のシベリア解放作戦により大日本帝国周辺海域は絶対的な制海権を確保し、日本海に至っては聖域とも呼べる程に安定したと語った。これにより今後は太平洋方面での対アメリカ合衆国戦を主軸にし、ヨーロッパ方面への支援体制も盤石になると説明した。
何せ現状ではヨーロッパ方面はイタリア王国が孤軍奮闘しており、その支援を大日本帝国は行わなければならないからだ。その為に万が一に備えた縦深をシベリア地方の解放で確保出来た事により、集中すべき対アメリカ合衆国戦とヨーロッパへの支援に全力を投入出来るのだ。
小澤連合艦隊司令長官の説明が終わると、次は東條陸相が説明を始めた。海軍の協力によりシベリアの解放が進み、レナ川以東の広大な地域を占領する事が出来たのである。そして確保したシベリア鉄道により補給兵站線は完璧に維持されており、各種輸送車輌と建設機械を投入しての社会インフラ整備を行っているとも語った。
これは内戦で疲弊している現地住民の懐柔策でもあり、占領による反日感情が高まるのを防ぐ目的があった。そして東條陸相はレナ川沿いに防衛線を構築し、盤石な防衛体制構築を行うと説明したのである。これにより大日本帝国の北部の防衛は盤石となり、陸軍航空隊も展開させる事で全てのシフトを太平洋中心に振り向けられると語った。
こうしてシベリア解放作戦の目的は達成されたのである。




