シベリア解放作戦2
シベリア解放作戦は本来の目的である北樺太侵攻は、実際に作戦を行う将兵達の認識では完全に『ついで』であった。しかも北樺太は内戦が続くロシア大地からも見捨てられており、一切の戦闘が行われずに大日本帝国に占領された。南樺太から北上したのは大日本帝国陸軍の1個連隊だが、全く無傷で北樺太北端に到達した。
これによりシベリア解放作戦の本来の目的は達成されたが、ウラジオストク上陸作戦という大規模な作戦も実行された。大日本帝国海軍は連合艦隊の第1機動艦隊と第2機動艦隊を投入し、千島列島の海軍航空隊第4航空艦隊を投入した。大日本帝国陸軍は上陸部隊として2個師団を派遣し、海上保安庁に護衛されながらウラジオストク近海で待機していた。
内戦が続くロシアの大地ではウラジオストクは、ソ連赤軍の残党が支配していた。海軍艦艇やドック・埠頭はソ連崩壊による内戦突入時に、大日本帝国は先手を打って予防的措置として徹底的な攻撃を行っていた。日本海の安全を確保する為に行われた行動だったが、今となっては正しい選択だった。そのお陰で日本海に於いては一切の危険性は無く、ウラジオストクへの攻撃に集中する事が出来たのである。
これによりウラジオストクへの攻撃は大規模で壮絶なるものになったが、悲惨なのはソ連赤軍の残党である。ウラジオストクを支配していたが続く内戦により兵器も人員も消耗しており、しかも装備する兵器も内戦が勃発するソ連崩壊前の物であり、大日本帝国軍とは比べ物にならなかっただからだ。
その為に連合艦隊機動艦隊と海軍航空隊による一連の空襲でソ連赤軍残党は壊滅状態になった。そこに大日本帝国は情をかけること無く、畳み掛けるように陸軍の上陸を開始した。その兵力差は絶望的であり、壊滅状態にあるソ連赤軍残党は何も打つ手がなかった。これにより大日本帝国陸軍2個師団は上陸完了後、僅か3時間でウラジオストク占領を完了したのである。
こうしてシベリア解放作戦の第一目標を達成したが、次の目的は満州帝国国境からの侵攻作戦であった。