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緊急閣議7

第2回THK紅白歌合戦が行われている頃、大日本帝国帝都東京首相官邸では緊急閣議が開催されていた。先の大日本帝国本土空襲を阻止した事により国民の士気は大いに向上していた。そんな中での緊急閣議は立案中である中華民国との合同作戦についての承認も兼ねていた。合同作戦は陸軍が中心になる事から東條陸相が作戦について説明を開始した。

中華民国陸軍と行われる合同作戦は、『シベリア解放作戦』であった。シベリアはウラル山脈以東の地域全域を指すが、今回のシベリア打通作戦で目指すはレナ川より東部一帯の占領が目的だった。今になって大日本帝国が内戦続くロシアに介入するのは、スカウトしたロシア人に安定した祖国の地域を提供する為だった。というのは表向きで北樺太占領を正当化する目的があった。面積的には北樺太とレナ川以東は大きな差があり、国内と世界を欺くには最適でもあった。真の目的を知るのは山本総理兼海相と東條陸相のみであり、他の閣僚や軍部もレナ川以東の占領のついでだと判断していた。寧ろそれが正当な考えだった。誰が北樺太占領正当化の為にレナ川以東占領を行うと考えるだろうか。しかし山本総理兼海相と東條陸相は『スカウトしたロシア人の為』という批判しにくい大義名分を持ち出した。そして山本総理兼海相と東條陸相は陸軍主導で作戦を行い、再建した中華民国陸軍と合同作戦を行うと決定したのである。『シベリア解放作戦』はアラビア半島打通作戦時と同じく大日本帝国陸軍参謀本部幕僚附(作戦課)参謀の瀬島龍三大佐が立案した。瀬島大佐の意見は陸軍参謀本部作戦課課長である服部卓四郎少将が評価しその案を採用した。そして瀬島大佐が作戦の航空支援を行う部隊を視察しに北海道へ行ったタイミングで、アメリカ合衆国海軍太平洋艦隊艦載機の空襲があったのである。

そこで瀬島大佐は独断専行で見逃す命令を下したが、それを山本総理兼海相と東條陸相は評価したのであった。畏怖を与えるのは長期的には意義があるからである。そして中華民国との協議も行われ瀬島大佐直々の作戦説明を、蒋介石国家主席は受けて全面的に大日本帝国の作戦を支援すると答えた。それは中華民国が連合国の一員であるのを世界に誇示すると共に、戦争遂行に必要なロシア人に安住の祖国を取り戻せる事になるからだった。そして瀬島大佐は帰国すると作戦実施命令を待ったのである。


一連の説明を終えた東條陸相は席に着いた。作戦を聞いた閣僚達はその重要性を認識し、作戦実施に賛成していた。賀屋大蔵大臣も予算について何も言う事は無く、その為に山本総理兼海相は早々に閣議決定を行うと帝国議会へ送付する事にしたのである。

そしてこれにより奇しくも大日本帝国とアメリカ合衆国は、1943年から同時に作戦を開始する事になったのであった。

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