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対策会議5

1942年12月31日。アメリカ合衆国首都ワシントンDCのホワイトハウスではルーズベルト大統領が対策会議を開いていた。先日の太平洋艦隊による奇襲作戦は完璧に迎撃され、太平洋艦隊は這々の体で西海岸に逃げ込んだ。大日本帝国が艦載機の迎撃だけに専念した為に太平洋艦隊に被害は無かったが、大日本帝国海軍連合艦隊は何時でも攻撃可能だった。ウェーク島北西1000キロ地点を哨戒していた第1機動艦隊は艦載機の発艦体制を維持しながら接近を続け、潜水戦隊に至っては太平洋艦隊に威嚇の雷撃を何度も実施していた。その状態が続き太平洋艦隊の神経は擦り減らされた。何とか西海岸に逃げ込んでから、太平洋艦隊は再編作業に追われていた。作戦の失敗を知らされたルーズベルト大統領は衝撃を受けた。何せ大日本帝国に一切の被害を与えられず、1000機以上の空母艦載機が壊滅状態になったのである。艦載機は全て新型機にしたが、それも大日本帝国の航空隊には通用しなかった。あまりのショックにルーズベルト大統領は暫く誰とも会わなかった。そして1942 年12月31日になってようやく、対策会議を開催したのである。

ルーズベルト大統領は単刀直入に、大敗した理由は何なのか海軍クイーン作戦部長に尋ねた。クイーン作戦部長は理由は3点あるとして説明を始めた。まず1点は新型機が大日本帝国の物に比べてそもそも性能が及んでいない。2点目は速成育成によりパイロットの練度が大日本帝国に比べて低い。そして3点目が致命的で大日本帝国のようなレーダーを未だに開発出来ておらず、それが理由で逆に奇襲を受けてしまった。以上を指摘したのであった。海軍の主力を戦艦にするか空母にするかの違いが、大きく表れており早急に全力で改善に取り組まないと手遅れになると、クイーン作戦部長は断言した。ルーズベルト大統領は対策はあるのか尋ねた。

クイーン作戦部長はファイルをルーズベルト大統領に手渡すと説明を始めた。




『この1942年12月31日の対策会議でアメリカ合衆国は数多くの対策を決定した。まずは新型機であるジェット戦闘機に関してはまずはMe262ジェット戦闘機のアメリカ合衆国版が生産されており、レシプロ機とジェット戦闘機両方の共同開発が加速される事になった。アメリカ合衆国のみならずフランスは特に、大英帝国とイタリア王国本土での空戦で大日本帝国の機体に圧倒されており、新型機は急務だった。

パイロット育成であるがこれに関しては部隊配備後の訓練を増やす事で対応する事にした。冷静な議論の結果速成育成は大日本帝国も同じであり、機体性能が向上し訓練をすればある程度は追いつくとの判断だった。大日本帝国本土空襲を生き延びたパイロットを教官にする事も決定したが、その貴重な実戦経験者は半数だけしか教官に出来なかった。何せ半数は大日本帝国航空隊の畏怖から士気喪失が激しく、そのような者が教官になると士気に関わるとの判断からだった。

レーダー開発も最優先事項として行われる事になった。何せ大日本帝国本土空襲失敗の原因の根本でもあったからだ。索敵の失敗により奇襲作戦のつもりが、逆に奇襲を受けてしまった。これは重大な事だった。ルーズベルト大統領はこれらの対策に臨時予算を投入し、全てを加速させると宣言した。そして軍部が計画していたトーチ作戦を早期に実行するように命令したのである。』

小森菜子著

『欧州の聖戦』より一部抜粋

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