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静寂
旅の途中、私はある一つの村についた。
その村は、豊かな木々に囲まれていて、田園の広がるのどかな場所だった。
ここならどうにか休めるかも知れない。
そう思った私は、懐の残り少ない銀貨を握りしめ、市街地へと向かうことにした。しかし、市街地では、レンガ建ての家が連なっているのに、人が一人もいなかった。
様子がおかしい。
これだけの管理された田がありながら、一人も見当たらないのは変……、
と思っていると顔の目の前を、矢がかすめた。
「侵入者よおっ!」
大声がしたと思うと、いないと思っていた住宅から次から次へと武装したメイドが現れた。
中にはロケットランチャーを抱えた者までいる。
そして、銀髪の白人が
「捕らえよっ」
と声を上げると、何百というメイドにあっさりと捕まってしまったのだった。