呪縛
私を支えてくれている家族、友人、そして彼へ。大きな感謝を。
「あなたは何もできないんだから!」
廊下に響くほどの大声で、スタッフが集まる空間で。
時には激しく、時には笑いながら。
あの人は私に言っていた。
何がきっかけかは覚えていない、本当に些細なものだったと思う。
あの人は気が付いたら辞めていき。
その怒号を、もう一年聞かずに過ごしていた。
過ごしていたはずなのに。
時々あの人の大声が聞こえてくる。
「あなたは何もできないんだから!」
それはまるで呪縛だ。
トラウマというには、逃げ出せそうなものなのに。
小さなミスをしてしまったときに
今でも頭の中で再生される。
私は何もできない存在なんだ、と自分を自分で責めてしまう。
あの人が大声で私を怒鳴った時。
周囲のスタッフから言われた言葉。
「通過儀礼。」
「目をつけられたね。」
「いつか収まる。」
「かわいそう。」
皆が自分が言われることを恐れていた。
別に助けて欲しかったのかと問われると少し違う。
違うのだけれど、
「あなたにも良いところあるよ。」と
誰かにその時に言って欲しかったのだと思う。
あの人がここを去ってから1年が経って。
「あの時は大変だったね。」と声をかけられる。
当たり前のように誰もが他人事。
私は思い続けている。
私は何もできない人間です。と。
私はこの呪縛から解放されることはあるのだろうか。
自ら、この呪縛を解けるだろうか。
もし同じ環境の人がいるのなら。
声を大にして伝えたい。
貴方のそばには味方がいる。
私でよければ味方になりたい。
新社会人の方へ
社会には人を貶めないと気がすまない人が時折います。
自分が被害にあったなら、どうか早く助けを求めて。
助けを求めることは悪いことじゃないから。




