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25 壁の修理

楽しんでいただければ幸いです。

「よし、完成!!」


次の日、買ってきた材料を元にラシュは壁を直した。ラシュはやりきった充実感でいい笑顔を見せている。アッシュはその横で倒れている。というのも、アッシュができるのは材木を切る程度なので、ラシュの雑用にこき使われていた。


「水」「はい。」「ねじ」「はい。」「ハンマー」「はい。」「板」「はい。」「レンガ」「はい。」「土」「はい。」「水」「はい。」「タオル」「はい。」


ラシュの言葉にアッシュが即座に対応する。ラシュは壁の修理に集中しているのか、髪をあげて至極真剣な顔つきでしているため、たまに通りかかる女性が頬を染めていた。が、その周りをアッシュがうろうろしているので、普通に大工と弟子みたいに見える。


「何アレ?」


二人の様子を見たシグがサイカに尋ねる。


「壁を直しているんでしょう。」


サイカは目をくれずに応える。


「や、だって・・・あの息の合いよう、気持ちわるい。」


シグは少しずつラシュ達から離れた。

そんなことも知らず、ラシュは完成した壁に満足そうに頷いて片付けを始める。

壁は一度全て取り除かれて、レンガ積みの所と、日が中に入るように窓を木で作り、あけられるようになっている。壁だけだった以前よりおしゃれになっている。さらに内側には棚がつくられており、かびんと花が活けられている。ラシュはいったいどこへむかうつもりだろうか、とそれをみたシグは思った。




「まあ、すごい!」


できあがった壁を見て、レイヌーは感嘆の声をあげた。


「わあ!これなあに?」


レベッカが木の部分を指さす。


「ああ、これは窓さ。」


ラシュが窓を開けてやると、日の光が差し込み、道路が見える。


「わあ!外が見えるよ!おにいちゃん、すごいー!!」


喜ぶレベッカを見つつ、レイヌーがラシュの傍へ歩む。


「本当に、何から何までお世話になって、ありがとうございました。」


「いえ、壁はもともとこちらが悪いのですから。元気になってよかったです。」


「それに、レベッカからもう依頼料もらってるから、そろそろ行くわ。」


ラシュが答えると、その後ろからシグがぴょこりと顔を出す。


「ええ、あまり長居しては御迷惑ですしね。」


サイカがすっと読んでいた本を片付けて立ち上がる。


「あら、そんなことは。」


すぐにも旅立とうとする4人に、レイヌーは引きとめようと声をかける。


「そろそろ次の仕事を受けようと思っているんですよ。俺たち、冒険者ですから。」


にこっとラシュが笑うと、シグが続ける。


「それに、これ以上いたら、またアッシュが壊しかねないんや。」


「おい、シグッ!そんなことはない!!」


アッシュがシグにつかみかかるが、


「はいはい、アッシュ。その言い分は信じてないんや、うち。」


シグはあっさりかわしてさっさと家を出る。そのままアッシュがシグを追いかけて家を出る。


「ということもあるんで。報酬はいただいてますから、では、お元気で。」


「では、お大事になさってくださいね。」


ラシュとサイカもその後を追って出て行った。


「行っちゃったね。」


「そうね。」


「また会えるかな?」


「そうね。きっと会えるわ。」


レイヌーとレベッカは窓から去っていく4人を見ていた。




「さて、次こそは帰れる仕事を探そうぜ。」


「ちょうどいい仕事があるといいなぁ。」


4人はのほほんとギルドの掲示版を眺めていた。


「あのー、すみません。パーティ『笑う太陽』の方ですよね?」


4人は突然聞こえた後ろからの声に振り向いた。


「うん、そうやで。」


シグが答えると、声をかけてきた少女が顔をほころばせた。


「よかった。私、詩人のリーザレインといいます。よかったら、少しの間同行させていただくことはできませんか?」


すその長く、袖がふわりと大きく開いている服を着て、頭にはカチューシャらしきものをつけている少女は、4人に尋ねた。


「えーと、話がようわからんけど、ここじゃわからんからあっち行って話聞くわ。」


シグがさっさと女の子の背を押してカフェスペースへと向かう。それを見て、ラシュ達も一緒に向かった。


「で、同行したいってどういうことや?何がしたいんや?」


シグの問いに、リーザレインと名乗った少女は語りだした。


「私は旅の一座にいたのですが、世界を旅していろいろな話を聞いて、見て、集めたいと思いまして、一人旅をしているのです。私はその集めた話を物語にすることで糧を得る、詩人を職業にしています。そんな中、『笑う太陽』の噂を耳にしました。なんでも、どんな依頼も受けるし、いろいろな魔物にも遭遇し、いろいろな伝説を作っているとお聞きしました。そんないろいろなことを体験しているパーティの方から話を聞けたらどんなによいだろう、一緒に同行したら素敵な物語が作れるのではないかと思ったんです。しばらくの間、一緒にいさせてもらえませんか?」




設定25

旅の一座はいろいろあれど、リーザレインがいた一座は世界でも有名な一座。王宮に招き入れられて披露することもしばしばあるほどの一座。リーザレインはたまたま拾われて一座の仲間として育てられた。

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