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 ジンは中隊に解散を言い渡すと元小隊メンバーである五人を呼び出す。


「みんな急な命令で申し訳ないけど力を貸してもらうよ」


「隊長が中隊長になったんだ俺らだって出世して然るべきだぜ」


 ダリルはがっはっはと豪快に笑いながら言う。


「ダリル、あまり調子に乗らないの!」


 それをミシェルが嗜めてメンバーに笑顔が生まれる。

 

「いいか?今回の戦いは先日の撤退戦よりも過酷になるのは確定だ、気を抜いたら死ぬってレベルのね」


「あの作戦、実行するんですか?」


 トールが心配そうにジンに確認を取りジンはそれを肯定する。


「ああ、団長はそう言った」


「なら我々は隊長の顔に泥を塗らないような働きをしなければいけないですね」


「ダイナはいつも硬いって、もう少し気楽に行こうよ」


「あんたは少しダイナを見習いなさい」


 ダイナ、ガオン、ミシェルの順にこれもいつもの流れである。

 いつも通りの面々にジンは少し談笑してテントを出てある場所へと向かうのだった。

 ジンが向かったのはジゲンのテントだった。


「失礼します」


「誰だ」


「ジン中隊長であります」


「......入れ」


 ジンはジゲンの答えでテントに入る。


「親父殿、ここは一応戦場だよ?護衛の一人も付けないのはどうかと思う」


「全く、最近おまえはルイに似て小言が多くなったんじゃないか?」


「ここに母上はいないからね、お小言は俺の役目さ」


「けっ」


「親父殿こそ、母上の話なんてホームシックか?」


「わしは家を開けるときは玄関出た瞬間からずーっとホームシックだよ」


「......そうだね、俺もホームシックだよ」


 ジンは少し遠い目をしてそう言う。


「......ジン、発案はお前がしたが決断したのはわしと幹部だ、お前が背負う業じゃない」


「いや、違うさ親父殿、それは俺が背負う業だよ」


「だとしても、わしはお前の父親だ子共の業は親の業だ。そう頑固になるな親父らしいことはあまりできてないんだお前の業くらい背負ってやるさ」


「何いってんだよ。最初に会った時から親父殿の背中を見続けてるよ、その大きな背中をね」


「バカタレが」


 ジンはジゲンの言葉を受けると振り返ってテントを出る。


「行くか」


 結論から言えば白虎騎士団はタイラン防衛を主張し後退や援軍を拒否、ジンの作戦は三万の兵とデイブンをなるべく離すことが要だ、それをタイランで抑えてしまうとなるとデイブンへの援軍がすぐ前線から来てしまう。

 つまりデイブン襲撃部隊には時間が相当限られると言いことだった。

 でなければ囮として残る青龍騎士団本体は全滅してしまう。


「全軍、前進!」


 ここに史実で初めてジン・オオトリの名前が出る戦いが始まる。

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