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暗躍

 ちょうどオウカがイジけている頃、城ではドールが影に報告を受けている頃だった。

 ちなみに影とは暗影の片割れでロイには黒と呼ばれる諜報員が付いている。


「なに!?」


 ドールは影の報告を受けて声を上げる。


「あの下民が戦に出るだと?」


「はい、報告では青龍騎士団に所属したとのことです」


「くく、功を焦ったか。これだから下民は」


 ドールは同い年であるジンが戦に出ると聞き、キリルが出した条件をどうにかクリアしようと目先のチャンスに目が眩んだのだと思った。


「そうか、なら勝手に死ぬだろうが念には念だ。おい貴様」


「......は」


「ダートを呼べ」


「ダートギリスでしょうか?」


「そうだ」


 ドールに命令されて影は下がる。

 数分するとドールの部屋の扉をノックする音が聞こえる。


「入れ」


「失礼いたします」


 ドールの部屋に入ってきたのは甲冑に身を包んだ肩くらいまである髪が特徴的などこにでもいる青年だった。


「ダート久しいな」


「はっ!殿下からのお呼び出し誠に有難う」


「いい」


 ダートが常套句を言おうとしてドールが遮る。


「確かお前今年から騎士団に入ったといっていたな」


 ドールがたまたま聞き齧った情報を告げると「はい」とダートが返事をする。


「ふむそうか、ダートよ」


「はい」


「貴様、青龍騎士団に異動届けをだせ」


「は?」


「聞こえなかったか?青龍騎士団に異動届けを出せと言ったんだ」


「いえ、聞こえはしました。ですがなぜ私が平民騎士団などに行かなければいけないのでしょうか?」


 平民騎士団とは青龍騎士団の蔑称である。


「まぁ、お前にしか頼めない用事があってな。俺の力で移動届けは受理するよう根回しはしておく」


「用事、ですか?」


「ああ、何簡単な用事さ」


 ドールはそう言うと邪悪な笑みで笑った。

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