誓い
ジンとリナリーが部屋出て向かったのは中庭だった。
「ここは姫様が管理されている庭園です」
「リナリー様ここは姫様が特別な方以外の立ち位置は禁止している場所です」
「私はここの立ち入りを許可されていますが?」
「ですが」
護衛のためについてきた騎士はジンをチラッと見る。
暗にジンは許可を得ていないと言っているのだがムッとしたリナリーはそれに対して言い返す。
「良いのです、姫様も許してくださるでしょう」
「ですが」
「大丈夫です。すぐに戻りますよ」
ジンは少し困ったように笑うと騎士に対して言った。
「リナリー様、あまりこの方を困らせる物ではありませんよ」
「うぅ、すみません」
リナリーは騎士に対して謝るとジンを見る。
その目にジンは心の中で悶えた。
「父たちの話会いもすぐに終わるでしょう、その前に言っておきたいことがございます」
「何ですか?」
「私はあなたに一目惚れをいたしました」
「は、はい」
真っ直ぐ言われたリナリーは顔を一瞬で朱に染める。
「キリル殿が言ったことをしっかりと成し得て、誰からも後ろ指さされずあなたの隣に立ちたいと考えています」
「はい」
リナリーもジンの真剣な目を見てしっかりと頷く。
ジンは一拍置くとしっかりとリナリーの顔を見て言う。
「おそらく、近いうちに私は戦にでます」
それを聞いたリナリーは固まってしまう。
二人の間に沈黙が流れる。
「た、たしかにお父様の条件は厳しいものかもしれませんが、戦に出なくても良いではないですか?」
リナリーは戦に出ると言ったジンを止めようとする。
「それに、来年から王立の中等部への入学なども始まりますし!」
「リナリー様」
必死なリナリーをジンは静かに落ち着かせる。
さっと片膝をついて屈むと、リナリーがヘソの前で組んだ手を片方そっと両手で握る。
「私は今回の戦、元々出陣する考えでした」
「な、何故ですか?ジン様は私とお年は変わらないはずです!戦に出るのはもっと後でもいいはずです!」
「確かにそうでしょう、ですが私はどうしても守りたいものがございます」
「守りたいもの?」
「はい、それは家族です。うちにいるメイドのジョゼはいつも私の味方をしてくれます。執事のジャスは厳しいけどいつだって私のために怒ってくれます。母は本当に親バカでそんな母を私は大好きで、妹と弟はよく慕ってくれていて、父はその大きな背中に追いつきたくて、そんな私の家族を絶対に守りたいのです」
ジンは自分の胸の中を隠さずリナリーに伝える。
「そして今日その守りたい存在にもう一人増えました」
そういうとジンは顔を上げてリナリーを見る。
「私は貴女を守るために、戦に行ってきます」
「......ずるいです」
リナリーは目に涙を溜めて一言漏らした。
「すみません。ですが帰って来た時必ず貴女に会いに行きます」
「本当ですか?」
「はい、我が剣に誓って」
そう言ってジンはリナリーの手にキスを落とす。
それを黙って見ていた騎士はジンを自分以上に騎士ではないかと何やら恥ずかしくなるのだった。




