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後のこと

「なるほどな」


 これまでのジンの経緯を聞いたジゲンは少し困ったように笑った。


「迷惑をかけたなキリル」


「まぁ、少し悩みはしたがいい判断だと自分でも思っているから問題ないよ」


「そう言ってくれると助かる。ディノもすまんな」


「構わんさ、わしはちとあやつを甘く育てすぎた」


 ディノケイドはドールを思い出して少し憂鬱になる。


「しかし、一目惚れで求婚、しかも自分より家柄がいい娘にとは、なんだかどっかの誰かさんを見てるみたいだよ」


「む?それはわしのことか」


 ジゲンは眉を顰めて言う。


「他にいないだろう。婚約者が決まっていなかったと言う点は違うけどね。安心していいよ血は繋がってなくとも彼は君の子だ」


 キリルはジゲンとジンの関係を知る数少ない人物である。


「かっかっか」


 ジゲンは愉快そうに笑う。


「さて、じゃあジゲン、この件は私の出した条件をこのまま進めて行くと言うことで大丈夫かな?」


「問題ないだろう、あいつならわしより出世するだろうからな」


「なんともまぁ、期待しておくよ」


 キリルはジゲンの自信に思わず笑うと自分を棚に上げて親バカだなと思った。


「それで、殿下の方はどうするんだ?」


 ジゲンが少し困ったようにディノケイドを見る。


「構わんさ、奴もいつか理解するだろう。しなかった時はそれまでと言うことだ」


 父親ではなく王として喋るディノケイドにジゲンは何も言わず頷く。


「さて、それでは話は以上とする、すまんなジゲンよ、急に呼び立てて」


「いやいいさ、当事者の親であるしな」


 そう言って今回の騒動は一旦の解決をしたのであった。

 一方その頃、ドールは寝室で憤りを爆発させていた。


「くそ!!」


 部屋の椅子を蹴りあげる。


「なんで、俺様が!!」


 不満をどうしても払拭出来ずに自室へ戻ってから荒れに荒れていた。

 そんなドールの部屋をノックする音は聞こえる。


「入れ!」


 ドールはそれが誰であるか知っているかのようにすぐに部屋に招く。

 それはメイドであった。


「貴様、しっかりと聞いてきたんだろうな?」


「は、はい、ジン・オオトリは三年以内つまり学園入学までに何かしらの功績を立てよとの条件が課せられました」


「なに?三年以内」


 (三年以内に何か功績だと?立てられるわけがない、あんな平民上がり風情が)


 そこまで思考してドールはやっと怒りを落ち着かせると、メイドに目を向ける。


「奴の素性をさぐれ、この俺に恥をかかせてくれたのだ、成り上がりのゴミの分際でだ」


「か、かしこまりました」


 そう言うとメイドは一切の音もなく一礼して部屋から出て行った。


「まっててくれリナリー、君は俺の物だ」


 ジンが脅威ではないと考えを改めるとすぐに存在を忘れてリナリーのことに胸を馳せるドールは気づかない。

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