友人〈三〉
ジゲンとディノケイドのやりとりが一段落したところでちょうど部屋のドア越しから声がする。
「陛下、ロイストス殿下がお見えです」
「入れ」
短い返事の後に部屋のドアが開かれる。
「きたか」
「お待たせしました、父上」
「よいよい、そこまで待ってもいない」
ロイがディノケイドに一言入れると快くディノケイドも返す。
「ジン」
ロイに名前を呼ばれてジンはその場に片膝をつくと首を垂れる。
「お久しぶりです。陛下」
「久しいな、変わりないか?」
「はい、この通りでございます」
「そうか、そうか楽にして良い」
ディノケイドは小さく頷くとジンを見て少し驚いていた。
(ここまでか)
ディノケイドは民衆から賢王と言われてはいるがその実、武才の方が秀でていた、そのディノケイドから見てもジンの成長は恐るべきものだった。
「さて、全員揃ったようだしの、騎士団に顔見せだったか?」
ディノケイドは驚きをおくびにも出さずにジゲンに問いかける。
「ああ、こいつとデイダラ達をな」
ジゲンは立ち上がったジンの頭をワシワシと撫でつけるがジンは鬱陶しそうにジゲンを睨む。
「なら急ぐといい、引き止めてすまなかったな」
「そうか、なら行くか」
そういうとジゲンは何も言わずに部屋から出て行こうとする。それをジンは「陛下に挨拶は!?」と叫びながら後に続きデイダラとテンゼンが頭を下げて退室していく。
四人が出て行った部屋でディノケイドとロイだけが残った。
「お前の右腕は凄まじいな」
「んー?あれはそんなもんに収まる器じゃないよ」
「御しきれぬと?」
「そもそも俺があいつを縛ることはないよ、あいつとは対等な友でさえいれれば万事上手くと思ってる」
「甘いな」
「そんなこともないさ、父上とジゲンを見本にしただけさ」
二人はお互い見つめ合うとどちらからともなく笑い出す。
親子の会話にしては相手の心情を読もうとする探り合いのような会話だった。
そんな会話を外で聞いていた近衛騎士はこの親にしてこの子ありか、と結構失礼なことを考えていたのだった。
読んで頂き感謝!
ブクマ評価感想待っております。




