友人〈二〉
ジンとロイが部屋に残った同時刻ジゲン達はまた別の部屋に入室しようとしていた。
「陛下、ジゲン殿一行をお連れしました」
「入れ」
部屋の中からの声を合図に騎士がドアを開き中に入っていく、それにジゲン達も続く。
「ご苦労下がって構わん」
「はっ!」
騎士は一礼すると部屋から退室していく。
「久しぶりってほどでもないか」
「この前会ったばっかりだよ」
騎士が退室すると慣れた感じで会話を始めるジゲンとディノケイドに面を食うデイダラ、何かデジャヴを感じて惚けるがすぐに気を取り直す。
「さて、そちらがかの有名な《無天》殿かな?」
《無天》とはデイダラに付けられた呼び名である。
「そう名乗ったことはないですが、それは多分わたしでしょう」
デイダラが挨拶をしながら頭を下げる、いつもの軽い口調は流石に王の御前であるため控えている。
「ふむ、そちらの少年は?」
「私の弟子でございます」
デイダラが素直に答えるとテンゼンもデイダラに倣って頭を下げる。
「なるほど」
ディノケイドは頷くとジゲンに顔を向ける。
「お前の報告では今回の戦、《無天》殿が味方してくれると聞いたが、間違いないのだな?」
「ああ、少し訳があってな」
ジゲンが短く答えるとディノケイドが頷く。
「深くは聞かん、《無天》殿が味方してくれるならどういった事情であれ受け入れよう」
デイダラは少し驚いたが顔には出さなかった。
一国の王がいくら名が知れ渡っているとはいえ浪人を自国に迎え入れる、しかも戦争が始まる緊張状態でこうも簡単に受け入れるなどありえないからである。
一概にジゲンへの信用ということだ。
「まぁ、裏切れば俺が切るさ」
冗談でいうジゲンにデイダラは困ったように笑って、「それはないぜ、旦那」と苦笑いを浮かべる。
「さて、確認したいことも済んだことだ、息子達を待つとしようか」
「なんだ?それだけなのか?」
「今回は息子に頼まれてな、ジンと二人にしてほしいと」
「なるほどな、ジンも好かれたもんだ」
頷くジゲンにディノケイドが笑う。
「好かれやすいのは血かもしれぬな」
「繋がっとらんぞ?」
「冗談じゃ」
クククと笑うディノケイドとなんだ冗談かと特に気にした風がないジゲンを仲がいいなぁと見つめるデイダラであった。




