ジンの考え
短い...です
「才能ってのは多分存在すると思う」
ジンの話し始めは才能の肯定から始まった。
「同じ努力をして来た二人がいたとしてそいつらが戦えば才能のある奴が十中八九勝つんだろうと思う。まあ全く同じ努力なんてありはしないけどな」
ジンが話を一度切るとタオルを目の上に乗せて後頭部を背もたれに預ける。
「でもまぁ、親父殿がなんて言おうとがどんなにリュウキに才能がないと思おうが、なろと思えば何にでもなれると俺は思う」
ジンがわりと綺麗事を言う。
「お前が何になりたいかだろ」
リュウキはジンの話をしっかりと聞いていたが、結局ジンも周りと一緒なのだと思い落胆する。
なりたいなら頑張ればいい。それが周りの主な主張だ。そんなものはリュウキは聞き飽きていた。
「僕は騎士になりたいです」
リュウキの言葉にジンはタオルを取るとしっかりと目を見て言う。
「ならなれ」
短い答えにリュウキは感情が昂る。
「だから!僕には才能がありま」
「才能云々は死ぬ時でいい」
リュウキが風呂から立ち上がり声を張り上げたところにジンが食い気味で言う。
「才能がなかったとか努力が足りなかったとかそんなんは道半ばで死ぬ奴は誰だって思う事だ、後悔って奴だな。そこまではその後悔をしないように血反吐吐いて這いつくばって進むしかねーのよ。それでも九割後悔はするだろうけどな」
ジンはじっとリュウキを見て言う。
「リュウキ、お前が死ぬ時後悔するかしねーかはわかんねーけど俺は後悔しねーように今を生きる。お前はどーする?」
「僕は」
「才能が俺にあるとかオウカにあるとかそーゆーのは今は捨てろ、目指すもん目指すなら全部ひっくるめて飲み込んで今を生きろ」
ジンが気持ちが昂り口調が強くなる。自分の弟が悩んでるのに自分は諭すでもなくただ自分の言いたいことだけ言っている事は分かっていたからだ、それでもジンはこれしか言えなかった。
自分の才能があるとかないとか考えたこともなかった。
それでもジンは死ぬ時後悔しない事、家族を絶対に守るという思いだけで七年間修行を死ぬ気でして来たのだ、だからただ自分の考えを伝えるしかできない自分にジンは少し憤り口調が強くなっていた。
バシャっと勢いよく湯船から立ち上がりジンはタオルを腰に巻いて出口に向かって歩き出す。
「あとはリュウキ、お前次第だ。進むか、止まるか」
ジンは言いたいことを言い終えると風呂から出て行く。
リュウキは力なく湯船に座り直すとジンの言った事を考えるのだった。
進むかどうかを。
読んで頂き感謝!
ブクマ感想待ってます!
評価も頂ければ幸いです!




