前へ目次 次へ PR 83/118 「春障子」 朝。ふと目を開くと、布団の向こうの障子が。春の光をたっぷり受けて明るかった。 緩慢に時計を見れば、十時。 「あー、やっちゃいましたねぇ」 見事なまでの朝寝坊である。なのに春のゆったりとした空気に当てられてか、焦る気分には全くならない。 んー、うー、あー。と散々唸ってから起き上がると。寝乱れていたパジャマの襟を正して、布団を畳み私服に着替えて。 「朝食兼昼食にしますか」 一人誰もいない廊下に呟きは流れて消えた。