前へ目次 次へ PR 44/118 「コンポート」 「ふふーん」 台所には甘い匂いが立ち込める。 学園で貰った巨大化してしまった季節外の林檎を煮詰めコンポートにしているのだ。 「端女端女! 甘い匂いがしておるぞ!?」 「おやつに出しますからね、待ってて下さい」 「味見は!」 「ありません」 すげなく断るとしょんぼりした彼女に、仕方ないから寸胴鍋で煮ていたリンゴの一片をフォークに刺してシナモンをかけてから渡す。口にかけらを放り込んだ彼女が、満面の笑みを見せてくれた。