前へ目次 次へ PR 20/118 「春雨」 縁側。しとしと軒を濡らす雨は、別名花散らしの雨というらしい。 「春雨か、鬱陶しいことよな」 「情緒のかけらもありませんね」 「貴様は鬱陶しいと思わんのか」 「まぁ、多少は」 「ほれみよ」 ふんと鼻を鳴らして、それでもしとしとと降る雨を静かに見つめる彼女が嫌で。 「春雨、花散らしと掛けまして」 「大喜利か?」 「今日のお昼は春雨スープと海鮮ちらしとときます」 「さぁもんはあるか!?」 「もちろんです」 ね、春雨。私の勝ち。