前へ目次 次へ PR 17/118 「桃の花」 「端女、来い」 「はい?」 不機嫌そうに思いっきり襖を開けた彼女に呼ばれてついていけば、そこにあったのは桃の大樹だった。 「連れてきた、感謝せよ」 彼女が言った途端、ぱきりと細枝が折れ彼女に降った。とっさに弾こうと腕が枝に触れた瞬間、枝が消え腕からふんわり甘い匂いがした。 「え?」 「なっ! 香りをくれてやるとは聞いとらんぞ! これは妾のもの!」 何か前に桃を褒めたのが桃の琴線に触れたらしい。 彼女独占欲強いのにな。