前へ目次 次へ PR 11/118 「夜桜」 「端女、貴様何をしている?」 「え、あぁ。夜桜を肴に一杯やろうかと思いまして」 ちょうどお酒を買って来たんです。縁側に座り手に持っていた袋の中から度数の低いアルコール缶を見せると彼女はにやりと笑った。 「奇遇よの、妾も同じことを考えておったわ」 と大きな陶器の酒瓶を見せて来た。 「それ持ってるのって狸のイメージですよね」 「いめぇじ」 「印象ですかね」 「……誰が信楽狸か! 不敬であるぞ貴様!」 足で背中を蹴られた。