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11 遺跡への道と騎士団

「準備はいいな」


とりあえず、【銀階級】昇格の初遺跡漁りである。

1週間分の食糧を買い込み、オレとドリスで分担して持っている。

ガラハドは粘土部分を修理した盾に、新品の鉄の戦槌。意匠を入れた高級品ではないが、資格のある市民しか買えない正規品の武器だ。

正規品とは、ドワーフ社会において、各ギルドの品質管理をクリアした品である。

ドリスも同じタイプの鉄の斧を手にしている。

オレに関して新しい武器は持っていない。スコップもあるし魔砲もある。

・・・少しウソついた。本当はオレも武器がほしかったのだが、正規品二つで銀貨87枚が消えたので、無理な買い物をやめただけだ。

【銀階級】の特権で割り引いてこの値段。さすがギルドから出た正規品。量産といえどもいい値段だ。さらに、壊れたり破損した場合の修理費が加算されるのか…


ついでに、ドリスの荷物には追加分がある。

治療用品だ。

残念な事に、ファンタジー世界ではあるが、傷が即座に癒えるポーションの類は存在しなかった。この世界での治療は、基本的に軟膏や強壮剤を使った治療だ。

ただ、ドワーフの身体能力。特に頑強面は人間より圧倒的に高い。多少の傷はすぐに治るし、骨のヒビ程度なら1週間程度で治る。

基本的に、これらの薬や治療用品は消毒と応急処置用だ。

従軍経験のあるドリスとガラハドは、簡単な手当ての技術と知識を持っていた。ガラハドは全力で戦闘を行ってもらうため、その役割をドリスにお願いしている。


とりあえず、それら準備を終える。総計で金貨1枚と銀貨が十数枚消えた。

まあ、無駄な金じゃないから問題ない。

ついでに宿代と、食費と・・・

【銀階級】に上がったが、崖っぷち感がぬぐえない。


まあ、次も成功させれば元は取れるさ。




5日後。

オレ達はカザル=ボーダーの出口で腰を下ろしていた。

あの後、出発したのだが、1日ほどでトゥースの群れに遭遇。魔砲術で追い払ったものの、探索ははあえなく終了。帰還する事となった。

道を探しながら進むというのは思っていた以上に時間を食う事がわかった。進んで行き止まりだったら戻ってを繰り返すのだから当然だ。

そして、時間がたてば敵とエンカウントする確率も増える。

この問題を解決させるために、3人で相談した結果、オレ達は騎士団の討伐を待つことにした。


騎士団

ドワーフの都市が持つ公認武装集団の事だ。なにげに、孤児の最大就職先でもある。ガラハドとドリスも孤児院を出てすぐ騎士団に入団している。二人の入った騎士団がたまたま同じで、そこで二人は運命的な出会いをしたらしい(本人談)

オレにとって、まったくどうでもいい話である。

通報されろ!


話を元に戻そう。

騎士団の主な仕事は、カザル=ボーダー周辺の敵の掃討だ。戦闘である以上、死傷者は常に出る危険な仕事だ。


特筆すべき点として、騎士団は基本無給である。倒した敵によって報奨金をもらえるだけだ。それが、兵団(職業軍人)ではなく騎士団 (ボランティア)である理由だ。

そして、ボランティアであるがゆえに、奴隷でも参加可能な仕事でもある。

一応、騎士団では食事と住居が保証されている。食事といっても、粗末なものだし、住居といっても雑魚寝だ。ただ、飢える事はないし、休むことができる。敵を倒せば金が手に入る場合もある。

条件というだけなら、孤児院を追い出された孤児にとって悪くない生活だ。

危険にさえ目をつぶれば。


騎士団の巡回頻度や範囲は、指導者の騎士団長に一任される。騎士団自身も敵を倒さないと、カザル=ボーダーから報奨金が下りないため、有力な後援者がいない騎士団は頻繁に討伐に出る。

その筆頭が、奴隷階級を必要とする最下級の騎士団だ。孤児院最大の就職先がいつまでもなくならない理由は言わずもがなだ。


オレ達は巡回に出る騎士団を待っている。

ガラハドが古巣の旧友を訪ね、数枚の銀貨を消費することで、目的の方向へ討伐に出る騎士団と、出発の日時を調べる事ができた。

別に犯罪行為に加担するわけではない。別に犯罪行為に加担するわけではない。

大事な事なので、二回言っておく。


出発する騎士団を横目に見つつ。その姿が小さくなってから、オレ達は腰を上げた。




要するに、騎士団が外敵を排除したエリアを進もうという話だ。

最下級の騎士団なら、当然報奨金を稼ぐために積極的に敵と戦う。当然、掃討後は安全というわけだ。


1日ほど騎士団の後を追って、距離は稼げた。

前回の探索しながらの1日分ではない、人数を抱える騎士団は斥候などを出し、進む道を調べている。その無駄のない進行速度で1日分の距離だ。

まあその結果、追跡している事がばれて怒られたわけだ。騎士団でも誰かが付いてくると神経をとがらせていたらしい。謝り倒して開放してもらう。

一応、こちらは市民階級なので、奴隷を主とする最下級騎士団でもあまり強くは言えなかったようだ。

儲かったら酒樽でも進呈してご機嫌を取ろう。


これ以上騎士団を付け回すことはできないし、騎士団だって遺跡まで討伐に行くわけではない。騎士団の本分は都市周辺の敵の掃討だ。

だが、少なくとも騎士団のおかげで、ここら辺一帯で襲い掛かる危険な怪物はいなくなった。

ここから、大通りまで進むとしよう。

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