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第61話 なんで...

アレンたちはバスに戻り、再び話し始めた。


「おいアレン、エリス先輩と何話してたんだよー」


アイネの視線が怖い。


「あはは……」


「なんか“メル”って聞こえたけど……」


サーレが首を傾げる。


「メル?」


「うん。給水所で会ったんだけど」


「メルって言えば、お前...。ディアセントだよ。2年の。けど、姿を見た人が全然いないって噂で」


「いや、確かに見たんだよね...なんでか、気になったんだ。理由は分かんないけど」


「じゃあ、もう一回会いに行けばいいんじゃない?」


「それが、エリス先輩が入学式以降、一度も姿を見てないみたいなんだ」


「あぁ、そうか。じゃあ、なんでアレンには見えたんだ?」


「分かんない」


「まぁ、また会えるんじゃね?」


「……そうだね。そう思っとく」


そこへ教師の声が響いた。


「おいみんな〜、ホテルに着いたぞ〜。まずは荷物を部屋に置きに行け〜」


僕はサーレとコウキと同じ部屋だった。

ホテルの部屋は広く、どこか現実感がなくて新鮮だった。


「よし、荷物置いたし、下行って飯だな」


「うん、行こう!」


だが、ずっと視線を感じる。

誰かに見られているような――そんな感覚が消えない。


食事会場にはすでに全員が集まっていた。

刺身、天ぷら、豪勢な料理が並び、どれも美味しかった。


それでも、あの視線だけは消えなかった。


食べ終えた直後、突然、視界が塞がれる。


「だーれだ?」


背後から聞こえた声に、すぐ気づく。


「……エリス先輩?」


「だいせいかーい!」


振り向くと、笑顔のエリス先輩が立っていた。


「ねぇアレンくん! 海がすごく綺麗なんだって! 二人で見に行こうよ!」


「海か〜、いいな〜。私も行こうかな〜」


アイネがじっと睨みながら言う。


「あれ〜、久しぶりだね〜。でも海は二人の方がロマンチックだから大丈夫だよ〜」


二人とも笑顔だが、目はまったく笑っていない。


空気に耐えきれず、僕は言った。


「ちょっと部屋に忘れ物だ。とってきます! すぐ戻るので待っててください!」


そう言って、その場を離れた。


――その瞬間、何かにぶつかった。


前には、何もいないはずなのに。


「アレン。ようやく一人になったな」


「え……?」


目の前の空間が、ゆっくりと歪む。


そして、姿を現したのは――


「あの時の……」


「メル……さん?」


「あぁ。お前に話したいことがある。少し……外で話せないか?」


「はい。大丈夫です」


僕たちは歩き出す。


だが、その瞬間。


ガシャァンッ――!


近くの窓が割れた。


「……?」


銃弾だった。


気づいた時には、メルさんが僕の前に立っていた。


「大丈夫ですか!?」


「……ん?」


彼は、何が起きたのか分からない顔をしている。


「銃弾が――」


「下がれ!」


メルさんは僕を突き飛ばした。


次の瞬間、鈍い音。


彼の体に、ナイフが突き刺さっていた。


「なん……で……」


「あれぇ。なんかいるんだけど……」


その声に、背筋が凍る。


目の前に立つ人物を見て、

僕は言葉を失った。


「……なんで……」


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