表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/111

第51話 今はただ謝りたい

「……姉さん。なんで……」


その一言だけで、胸が締めつけられた。


「ごめんね、ダイチ。

私は……近くにいたのに、守れなかった」


声が震える。


「怖かった。動けなかった。

それなのに……全部を、アレンに押しつけて……」


言い訳はしなかった。

正当化もしなかった。


ただ、事実だけを差し出す。


「……本当に、ごめんね」


「姉さん……俺の力で……

……植物に……」


「違う」


スミレは、はっきりと首を振った。


「助けてくれたの。お母さんが」


「……母さん?」


——その声は、直接響いたわけじゃない。

それでも、確かに“そこにあった”。


《ごめんね。

一緒にいられなくて》


《私が守れなかった分——

ダイチを、お願い》


それだけだった。

許しも、慰めも、与えなかった。


それで、十分だった。


「……ありがとう」


スミレは、目を逸らさない。


逃げない。

拒まれても、恨まれても。


「守れなかった。

でも——これからは、絶対に守る」


大地は、何も言わなかった。

それでも、抵抗もしなかった。


信じたかったのだ。

それだけが、はっきりと伝わってきた。


——よくやったよ、スミレ。


そう思った瞬間。


「ゴミ共が集まったところで、何も変わらない」


冷たい声が、空気を切り裂く。


「殺すだけだ」


——ここからは、俺の番だ。


アレンは、静かに一歩、前に出た。


もう、止まらない。

もう、譲らない。


「二度と、悲劇は繰り返させない」


怒りが、静かに燃え上がる。


「必ず殺す。

カルマ・クライン」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ