BBQ
※ 共通ルート
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皆と合流してから、レドがさっそく買った食材の下処理をしてくれた。
それぞれ好きな物を焼いて食べる。
「「うまっ!」」
セシアンとシェナが揃えて声を上げた。
その様子に大袈裟だと口にしていたラルドも、一口食べると表情を変えた。
「……! ただ焼いただけなのに美味い……」
「バーベキューって初めてやったけど……これはクセになるね!」
私もルデンの言葉にうんうんと同意する。
「ええ、美味しいっ!」
素材に塩コショウを振っただけの、ただ焼いただけの料理なのに、外で食べると特別美味しく感じるのは何故なのだろう?
(みんなと一緒だから、よりそう感じるのかも)
この美味しさも、きっと、誰かと共有しているからこそ、より鮮明に感じるのだろう。
「海老と貝も焼けましたよー。早い者勝ちです、どなたか食べたい方お取りしますよー」
「もぐもぐ、ふぁーい!」
「もぐもぐもぐ、俺もー」
「おい、せめて食べ終わってから話せ」
「あ、ベリルさん海老と貝はお食べになりますか?」
「んー、頂こうかしら?」
「はい、どうぞ」
「「早い者勝ちどこ行った!?」」
「あははっ」
セシアンとシェナが綺麗なハモリを魅せ、ルデンが堪えきれずお腹を抱えた。
(なんだかシーラに来てから食べてばかりいるような気がするけれど……き、気にしたら駄目だわ、カロリー云々はあとで考えましょう……)
途中からセシアンとシェナが大食い競走を始めたり、それにラルドが巻き込まれたり、いつの間にかルデンが審査員になっていたり。
それで最終的に無理をしすぎた3名が満腹で倒れ、みんなでレドに怒られたり───。
終始笑顔の絶えないバーベキューだった。
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───夕陽が水平線に落ちていく。
今日の終わりを告げる残酷で美しいその景色を、皆静かに見送っていた。
シェナはというと、最終日くらいは皆で夜まで堪能したいという本人たっての希望もあり、周囲に気を配りつつ物陰で無事フォルムチェンジに成功していた。
片付けをしながら、ふと夜空を見上げるとそこには満天の星が広がっていた。
私が星を見ていることに気が付いたのか、それぞれ近くにあった灯りを消してくれた。
おかげでより星の輝きが際立った。
「綺麗……」
手を伸ばせば届きそうなほど近くに感じる星々に、目を奪われた。
「少し星を見てから帰ろうか」
ルデンが気を利かせてくれて、そんな提案をしてくれた。
砂浜にシートを敷き、身を寄せ合って夜空を見上げる。
「今日も楽しかったね」
ルデンが言うと、小さくなったシェナの尻尾もご機嫌に揺れた。
「あぁ、楽しかった」
続いてセシアンが伸びをしながら仰向けに寝転がって言う。
「みんなといると時間があっという間に過ぎてくから困るんだよなぁ」
「……そうだな」
寝転ぶセシアンに呆れながらも、ラルドも表情を和らげた。
「こんなに素敵な時間をくださった理事長には、感謝しなければなりませんね」
「ええ、本当に」
レドの言う通りだ。
ゲルド理事長のおかげで、私たちはまた、かけがえのない時間と思い出を得た。
その一つ一つが、私にとってはとても貴重で、尊いもので。
「またいつか、みんなで旅行に来られたらいいね」
「ええ、またいつか───」
海風が頬を撫でる。
その心地良さに目を閉じて、波の音に意識を向けた。
その〝いつか〟の日を想像するのは、また後でにしよう。
今はまだ、彼らとの時間をゆっくり感じていたいから───。
(こんな日々が、いつまでも続けばいいのに────)
そう星に願うほどに。
私の中で、彼らという存在が、どんどん大きくなっていく。
同時に、〝本当の自分を知られる恐怖〟が、じわりじわりと私を支配していった。
────本当の私を知ったら、彼らは何を思うのだろう?
この時の私には知る由もない。
その答えを知る日が、もう、すぐそこまで迫っているということに────。




