【シェナ5ー9‘ BADEND√】変わらぬ愛を
シェナルート 【BADEND】
条件:シェナの好感度が50以下であること。
【BE√】
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───彼は、獣人としての理性を失ってしまった。
さっきまで、一緒にいたはずなのに。
さっきまで、想いが通じ合っていたはずなのに。
もう彼の瞳に、私は映っていない。
「シェナ……っ」
一歩、近付く。
けれど彼は低く唸り声を上げ、ゆっくりと後ずさった。私を拒絶するように。
「お願い……いかないで……」
月明かりに照らされた銀色の背中は、少しずつ、少しずつ遠ざかっていく。
「シェナ……っ。行かないで……。消えないで……!」
喉が裂けるほど叫ぶ。
「私……まだ貴方に伝えたいこと……何一つ伝えられてないの……っ。シェナぁぁぁぁぁっ!!!!」
悲痛な叫びだけが、夜空へ溶けていく。
その声に彼が振り返ることは、最後までなかった。
月は静かに───彼を呑み込んでいった。
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───後になって、魔女が教えてくれた。
シェナは私を助けるため、自ら魔力制御の魔法を解かせたこと。
あの時すでに、自分が助からないことを理解していたこと。
彼の身体は、魔力制御が解けた瞬間、すでに限界を迎えていたという。
だから、あの最後の口づけは、あの「愛してる」は───別れの言葉だった。
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冷たい鉄格子の中、一匹の大きな狼が、小さく身体を丸めて眠っている。
私は格子の隙間からそっと手を伸ばし、その背を優しく撫でた。
ふわりと揺れる銀色の毛並み。
狼はゆっくりと目を開き、気持ちよさそうに目を細める。
その瞳に、もう私を知る光はない。
私が手を止めると、もっと撫でてほしいと言うように鼻先を寄せてきた。
思わず涙がこぼれる。
「……貴方は、優しいね」
狼は何も答えない。
もう彼が私の名を呼ぶことも、笑ってくれることも、抱きしめてくれることもない。
私は、彼の額へそっと口づけを落とした。
「どんな姿になっても、どれだけ時間が流れても、私は貴方を────」
狼は静かに目を閉じる。
その温もりだけが、まだ彼が生きている証だった。
【BAD END / 変わらぬ愛を】
〆




