Part6.「わかる」状態を作るために、すべきことは
『ある程度共有された知識』がある、これが大きな手がかりとなるのではないだろうか。
「わかる」状態を作り上げるための、ベースがそもそもある、ということだ。
「わかる」ための言語スキルや知識が、読んでくれる方の中にはある。
あとはそことの問題がないように『追加建築』をさせていただく。それが、読み手の方にわかってもらえる状態を作る、ということになるだろう。
つまり
相手の方がどれだけ、『わかってもらいたいこと』についてわかっているかを知り
そこと『わかってもらいたいこと』とのあいだを問題のないように埋める
それが、「わかる」状態を作るために、達成すべきことだ。
この結論は『わかる説明はどうやって作るのか』として、よく紹介されていることとおんなじものだ。つまり、妥当と見ていいだろう。
しかし、これは、達成可能なことだろうか?
相手の方が何をどれだけ、わかっているか。それを、知ることは出来るか。
小説においてはこれは、できるはずである。
反射的にそんなんわかるかっ! と叫びたくなるが、小説においては唯一、絶対確実にわかるポイントがあるのだ。
はなしのスタート時点だ。
読者サイドは絶対確実に何ひとつわかってない。だって、何も語ってないのだもの。
そこから「わかる描写」をだけ積み上げていけば、読者の理解度は必然的に、狙ったラインを達成してゆくはずだ。
すなわち『相手の方が何をどれだけ、わかっているかを、知ることは出来る』ということになる。
つぎに、『あいだを問題のないように埋める』について。
何かをわかる、ということにおいて、問題がある状態とは「わからない」ということだ。
「わかる」に至るまでの間に、「わからない」がある。だから、全体がわからなくなる。
逆に、「わかる」に至るまでの間に、「わからない」がない。全部のステップが「わかる」で埋め尽くされていれば、全体がわかるようになるはずだ。
まとめれば
『ゼロのスタートから、最終の「わかる」にいたるまで、小さな「わかる」だけを、つみあげる』
そうすれば、私の小説も「わかる」ようになる、はずである。
しかし、これは実現可能だろうか?
最終の「わかる」にいたるまでの全部のステップを、小さな「わかる」で埋め尽くすことは、実際に可能なことなのだろうか?




